とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

地図の読み方が分かる本

124冊目
地図の魅力とは

地図の読み方から楽しみ方まで書かれてある本になります。

読み方は基本的な地図記号、等高線など基本的なものから、完全にロスト(山登りで道を見失った時)の対処法まで書かれてあります。おもしろかったのは完全にロストした上にホワイトアウトした状態でも、地図とコンパスさえあれば位置特定はなんとかできるかもしれない方法とか書かれてあるところですよ。こんな方法があるのか、と感心しっぱなしでした。

個人的に紹介として書きたいことは、「この作者は地図が大好き」だということですかね。
好きなものを喋っている人特有のキラキラしたようなものが、この本をを読んでいると感じ取れます。垣間見えるそのらしさは読んでるこちらもうきうきさせてくれると思います。

※今回もネタバレありとありますが、気になったところを書いていこうと思います。

----(ネタバレあり)----

続きを読む

ハングリーゴーストとぼくらの夏

123冊目
奇妙な人間より植物園にて

主人公の間中朝芽は父親の転勤によってシンガポールに引っ越してきました。
5年もいた小学校を離れることは寂しく、そんな朝芽を父親は「シンガポールは日本と似たような場所だから」など言って励まします。朝芽は半分聞いたように聞き流していると、目がさめるほど驚きます。なにせ、日本よりすごい超高層ビルが並んでいるからでした。

そんな開発された場所に住むことになった朝芽は引っ越してきてから日本人学校に通いだし、シンガポールの生活を始めます。けれどももともとの暗い性格、日本人学校には優秀な子供たちがいたりなどで、朝芽は引きこもりがちになっていました。
それを見かねた母親は、朝芽を近くの植物園に半ば強引に連れて行くのです。

植物園に到着した朝芽はすでに帰りたいという思いで、母親の後をついていきます。ついていくだけでもシンガポール特有の暑さ、植物園から出ている湿度などで汗が吹き出てきていました。
うろうろ雑学を聞きながら歩いていると、母親は「あっちにパワースポットがあるらしいわよ! しかも無料!」と熱帯雨林のエリアへ朝芽を連れ入っていきます。
そこには締め殺しのイチジクなどありました。不思議と人は少なく、静かに植物の鑑賞をしているとキーンと機械的な音が聞こえてきます。
「この音はなに?朝芽は聞くと、「きっとセミでしょ」と母親は答えました。
このセミの音がなんだか、日本の地下鉄の音みたいで朝芽は気に入ります。
それから朝芽は学校や塾の帰りなど、植物園の熱帯雨林のエリアに寄ることが多くなるのでした。

ある日のこと、いつもように静かな熱帯雨林のエリアの椅子に腰掛けた朝芽はひとりDSを開いてゲームで遊んでいました。
すると突然、雨がぽたぽたと降ってきて、すぐにスコールになります。朝芽は木々の影に隠れて心配そうに空を見上げると、雷もなっているようです。
そういえば高い木の近くにいると雷が落ちやすくなる……と、朝芽は右往左往しながら隠れれる場所を探し始めるのです。

----(ネタバレあり)----

続きを読む

ゼブラ

122冊目
男の子の名前はアダム・マーティン・ゼブリン。

アダム・マーティン・ゼブリンという男の子は、いつからか「ゼブラ」という愛称で呼ばれていました。
ゼブラは走るのが好きです。とくに急な上り坂を登りきったときは走らずにはいられなくなり、駆け出すと足なんかなく飛んでるような気持ちになるのです。それはまるでシマウマと言うよりワシのような気持ちでした。

一年前のこと。ゼブラはフランクリン通りをワシになって駆け下りていると、唐突に黒い影が現れます。ゼブラはそれがわからないまま暗闇に吹き飛ばされました。
そのせいで医者から「もう前みたいに走れない」と宣告されますが、それでも幸いなことに体は左腕を除いて問題なく動きます。足は数年でギブスを取れるでしょう。が、左手の方はもうどうなるのかわからず、さらにしばしばつったような痛みがあります。
そんな憂鬱になるのも無理ないゼブラの前に男の人が現れます。彼は左そでがからっぽなのでした。

上に本を紹介してますが、僕は教科書掲載の『ゼブラ』を読みました。

----(ネタバレあり)-----

続きを読む
広告を非表示にする

人間椅子

121冊目
へ、変態だー!

ここに佳子という女性がいます。
佳子は夫を見送ったあと、だいたい夫の書斎で篭もるのが常になっていました。理由は佳子が持っている雑誌の特大号創作のためです。
近頃、自身の美貌もあいまってでしょう、佳子は外務省書記官の夫を凌ぐほどの有名人になっていました。そんな作家には毎日のようにファンからの手紙がやってきます。佳子はそれら一つ一つ丁寧に読む習慣がありました。
ある日のこと、妙な原稿用紙が届けられます。佳子は例に従いそれを読み始めるのでした。


----(ネタバレあり)----

続きを読む
広告を非表示にする

まめぼん 世界で一番ちいさな盆栽

番外編
かわいく癒されるまめぼんはいかが?

実際に「まめぼん」という単語は盆栽業界にないわけですが(あるかもしれない)、作者はとても小さな盆栽を「まめぼん」と呼び、その世界を紹介してくれています。

まめぼんとは片手に乗る程度の盆栽、あるいは指に乗る盆栽、10センチに満たない盆栽といったところでしょうか。こればかりは実際に見てもらうほうが早いと思いますが、見てもらうとわかるようにかわいらしくて癒されるような風合いがあります。
この本には盆栽についての知識も多少書かれありますが本の主役はあくまでまめぼんであり、まめぼんについてのコラムと写真がつらつらあります。その写真には盆栽が何センチか書かれてあるんですよ。写真だけだと普通にいい盆栽かと思えるそれがわずか数センチとか書かれてあって、いやはやまめぼんすごいなぁと思うわけです。
そんなまめぼんの世界が少しばかり触れる本ですね。

※今回もネタバレありとありますが、個人的に気になっているところを書いていこうと思います。

----(ネタバレあり)-----

続きを読む

青年のための読書クラブ

120冊目
誰のためでもなく少女たちによる少女への物語

青年という言葉がタイトルにありますが、この物語の舞台は聖マリアナ学園であり女子校の話になりますね。

この本の中心には聖マリアナ学園があり、時系列がバラバラながら聖マリアナ学園に関連した話題が続いています。収録されているのは『烏丸紅子恋愛事件』『聖女マリアナ消失事件』『奇妙な旅人』『一番星』『ハビトゥス&プラティーク』の5編になります。

烏丸紅子恋愛事件:ここに聖マリアナ学園に入学する烏丸紅子という女性がいた。この女性は当時名門マリアナ学園には珍しい「庶民」であり、言葉も頭もそれほど良くはなく他の生徒から疎まれていた。ただ類まれなる美貌を持っていて、それを見出す人もいた。
聖女マリアナ消失事件:その昔、聖マリアナ学園を作った人物がいた。彼女は日本とは遠いパリの人物であり、おおよそ日本には訪れることもないような人物であった。なぜ日本に渡ることになったのか。
奇妙な旅人:バブル全盛期のこと、聖マリアナ学園もバブルの風を受けていた。いままでおおよそおしとやかな学風だった生徒の中に、成金の俗物な女性たちが入学してきたのだ。聖マリアナ学園側はそんな旅人の影響を受けてゆく。
一番星:赤髪で華がある美貌を持ちながらも、地味で内気な十六夜という女性がいた。彼女は凛子という親友にべったりついていて、おおよそ自分から発言するような人ではない。ただあることをきっかけに彼女は一変する。
ハビトゥス&プラティーク:長年続いていた読書クラブも少子化の影響などで廃部の危機に陥っていた。そんな部員を一人残しもうすこしで廃部だという頃に、読書クラブそのものより先に読書クラブの部室が老朽化により取り壊しになった。聖マリアナ学園も来年から共学となる最後の年という節目の中、妙な出来事が学校内に起こり始める。

基本的に女子校のイベントと思ってくれたらいいと思います。男子がいるようなギラギラした感じがなく女子っぽくって、(比較的ライトですが)女子っぽい陰険さがあるような、そんな話ですね。

-----(ネタバレあり)-------

続きを読む