かいぞくポケット3 のろわれたたまご
5冊目
かいぞくポケットシリーズ三作目です。
夏休みだからでしょうか、この本を借りに行った時、全二〇巻のうちニ、三巻ほど見当たリませんでした。
まぁ、余談は置いておいて、さっそく書いてゆきます。
- 作者: 寺村輝夫,永井郁子
- 出版社/メーカー: あかね書房
- 発売日: 1990/03
- メディア: 単行本
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そんなポケットに愚痴を言っている手下がいます。手下の名前はジャン、不思議な猫アイコにお宝であるチョコライトを独り占めされて嫉妬していました。
ジャンは事あることにアイコへの嫌味を言うのですが、一方アイコはいたずらっぽく舌を出しジャンをからかいます。
からかわれたジャンはアイコを襲おうとしたりして、船長ポケットに叱られ、ふて腐れます。
これが原因でぎくしゃくとした船内になりますが、そのころ嵐が海賊船を襲いました。
それぞれが持ち場にいながら耐えます。嵐はいっこうに止む気配はなく、船長ポケットは船員の心配をします。
やがて嵐は晴れて、外を見ると、大きな虹がかかっていることに気がつきます。嵐が過ぎ去るのを機に仲直りもできました。
ここで手下の一人、ポンが虹を見るなり本に記された「虹の根元には宝あり」をポケットに伝えます。
お宝を求め、ポケット一行は虹の根元に向かうことになります。
-----(ネタバレあり)------
船長ポケット
この話ではポケットの船長たる器ができていました。大荒れになろうが手下の身を案じていたり、先住民から無駄だと言われても諦めなかったり、空腹でもみんなを励ましたり、極めつけは鳥の王エピオルニスに対して敬意を持ち挨拶、そして「海賊だから卵をもらう」発言です。これはもう主人公ですね。
危険な雰囲気を察したら離れるということも忘れていなく、イセエビと会話した上で、ここでは歓迎されていないと感じお宝を置いて直ぐに帰ろうとするところがいいです。立派な船長に成長しています。
虹の根元にある世界
もうこのサブタイトルだけで想像が膨らんでしまいますね。魚が歩き、人が空を泳ぐ、海藻に野菜が実る不思議な森があり……文字だけ見ると「なんだこれ」と言った感じですが、とても夢をふくらませる世界観でした。子供の想像のように突拍子もないものでも、それが、一種の異世界転生ものよりも異世界感ある雰囲気になっていました。
途中イセエビが登場するのですが、このイセエビの強者オーラはなかなかでした。
ポン「おまえうまそうだな」
イセエビ「あ?」
ポン「あなたのことじゃないから(震え声)」
このくだりがまんま危ない人に絡まれたみたいな流れでしたよね。このイセエビなら『ファインディング・ニモ』に出てきてもまぁまぁ張り合えそうです。
そしてその後、アイコの呪文によって鳥の王が出てきます。人間を見下したような言葉遣いですが、話せばわかる良心的な王でした。
挨拶をするポケットに敬意を持ち、目的である信条を聞けば笑って認めるという懐のデカさ。さすおうですね。
かいぞくポケット三巻目に突入しました。内部でゴタゴタがありながらも、よくわからない世界に行き、なんとか返ってくることができました。
なんだかんだで一巻ごとに宝を手に入れているようです。一巻目ではカメラ、二巻目はチョコライト、三巻目は卵の欠片を手に入れますね。これから先、一巻のカメラのように卵の欠片の使い道が見つかるような展開になってほしいものです。
ところで、途中海から伸びる虹の絵があるのですが、あまりにはっきりとしていて逆に不気味でした。ポケットも同じことを考えて、大砲を打ち込み、消滅させてしまいます。あれはなんだったのでしょうか。
そういえば、虹を捕まえてやろうとする男の話が『蟲師』にありましたね。この作中で出る虹は掴めそうです。
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