とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

かいぞくポケット4 あやしいほらあな

6冊目
かいぞくポケットシリーズ4冊目です。
いまさらながら前の三巻目の記事タイトル、四巻と書いていたのに気が付きました。失礼しました。
改めて四巻目の感想を書いてゆきます。

あやしいほらあな (かいぞくポケット 4)

あやしいほらあな (かいぞくポケット 4)

海賊のお頭になってしまったポケットは、今日も大海原で海賊をしていました。
ただいつもとは違い、状況は少し異常です。ここ一週間風もなく、雨も降らなく、飢餓の危機に陥っていたのです。
いよいよ神様に祈りはじめたポケットは、神様に捧げるものを探します。
やがて水が切れました。それでも献上する品がないと知り、せめてもの歌をうたって暑さを吹き飛ばそうとしていると、ポケット号に白い筋がこちらに向かっていることに部下の一人ケンが気が付きます。
ポケットは手下のジャンに「白い筋を撃ち落とせ」と指示をして、ジャンは狙い通り撃ち落とすと大きな爆発が起こります。
安心している間にもまた白い筋が、また、二本、三本と飛んできました。
それらすべてジャンが撃ち落としていると、博識な手下であるポンが「あれは魚雷です」と声を上げます。
ポケット一行はそれを打っている潜水艦を見つけ出し、ジャンがトドメを打とうとしますが、潜水艦は白旗を揚げて降参しているのに気が付きます。
ポケットは降参をした海賊を船にあげて、宝物を受け取ります。しかしそれは宝物ではなく、時限爆弾でした。
ポケット号は壊滅的な打撃を受けて、海の上で立ち往生という絶体絶命のピンチになってしまいます。




------(ネタバレあり)-------



トンチンカン
白旗を上げておきながら、不意打ち、罠を仕掛け、ジャンを仲間に取り込もうとし、ジャン以外のポケット一行を全滅させようとする、なかなかの悪党でした。二巻のギャングの時もそうでしたが、このシリーズにはなかなかの悪事をする輩がでてきますね。
ぞっとするのが、鍾乳洞がある洞窟にて立ち合って、トンチンカンがポケットの目の前を走って逃げていったという場面です。こんな災難を起こした凶悪な元凶が目の前を走り去るのですよ。おそろしい。それに走り去るとき、滝近くの時限爆弾で致命打を与えることを知っての、ニヤケ顔でもしていたのでしょうか。
このトンチンカンはここで逃げてられてしまいますが、またどこかで会うことがあるのでしょうかね。

射撃の名手ジャン
作中の前半はジャンの大活躍でした。魚雷を目視で確認した後に大砲で当てることは現実的にありえるのだろうかと、「え、マジ?」と、読書を止めるほどでした。そして頭でシュミレーションして無理と悟り、それほどジャンは射的の感覚については達人と再認識しました。
そんなジャン。中盤辺りでお気に入りのお宝をなくしてふてくされます。わりとわがままというか、子供らしいところがあるようですね。むしろポケットのほうが大人っぽく、子供をあやすようにジャンのことを言うのがまた子供っぽさを際立たせているようです。
このジャンが行方不明になっているころ、たしか大雨が降ったころですが、洞窟で縄でも縛られてトンチンカンの作戦を聞いていたと思います。その様子を想像したら結構恐ろしいかもしれません。自分が生き残って、軽くいざこざがあったとはいえ、仲間が爆殺されるかもしれないという計画には冷や汗に息を呑んだでしょうね。

ポケット一行のたくましさ
物語のしょっぱなから飢餓の危機があり、ましてはマストを壊され、もう万事休すという状況なのに誰も狂うことなく、これからのことを前向きに考えるとはなかなかできることではありません。
そして島に到着しても、喉が渇きながら家を作り、水を探し、日が暮れるまでには四人が夜を過ごせるほどの家を建てるなんて。いやもう、こいつらどこでも生きれるんじゃないかって思いました。

四冊目に入りました。
命に関わるピンチがありながら、トンチンカンという悪役と接触し、船を爆発させられた時はどうなることかと心配しました。
それでもなんとかして、最後には船を直して出発する。なんとかなったとはいえ、作中何度もドキドキさせられました。
前も書いたように、「ドキドキするのだからいい本なんだ」と思います。やっぱこういう冒険本はドキドキハラハラしたいですよね。