読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

かいぞくポケット6 竜王のたからもの

寺村輝夫 かいぞくポケット 児童文学

12冊目
かいぞくポケットシリーズ六冊目です。
特に記述することがないので、そのまま感想を書いてゆきます。

竜王のたからもの (かいぞくポケット 6)

竜王のたからもの (かいぞくポケット 6)

ある日、突然海賊の船長となったポケットという子供がいました。ポケットは今日もポケット号に乗って、大海原を進みます。
日中カンカン照りの暑さがあるも、それ以外はなにも問題が起こることなくポケット号は進んでいます。
むしろ問題が起こらなすぎて、暇を持て余すほどでした。
そんな中で、仲間のアイコが船の前方に黒い影を見つけると、ポケットは手下のジャンにその黒い影めがけて大砲をうつように命令します。
このジャンは大砲を打たせれば百発百中の名手でありますが、対象の黒い影は小さすぎてわずかに外してしまいます。
ただ黒い影の近くに大きな水しぶきを起こし、黒い影は宙を舞って、そのままポケット号に落ちてきました。みるとウミガメです。
手下の料理担当をしているポンが「今日はウミガメのフルコースだ」とウキウキで喋っていると、いつも寝ている手下の一人ケンが、やや強引にポンの手を払い「カメがかわいそうだ」とウミガメをそのまま海に逃がしてしまいます。
いつも寝ているようなケンがそんなことをすることはちょっと変わった出来事で済むのですが、このウミガメを逃した瞬間からおかしなことが起こり始めたのです。


-----(ネタバレあり)-----



ポケット「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」
この続きを追う前に 言っておくッ! おれは今 この奇妙なことを ほんのちょっぴりだが 体験した
い…いや… 体験したというよりは まったく理解を 超えていたのだが……
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「ポケット号と打ち合いになって おれの船が転覆したんだ ところがポケット号は沈まなかったんだ
周りを見たら水なのに 息もできるんだ」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが 
おれも 何をされたのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…

……と、かいぞくポケットシリーズではいろいろ奇妙なことが起こってはいましたが、今回はそれらの群を抜くエピソードとなりました。
まず同じポケット号と打ち合いになった時点でポルナレフ状態ですよ。鏡の国かな? とか思えば、話はどんどん進み海の世界に入って、龍宮城に行って、ほかの手下と立ち会って、性格が違う自分(ポケット)と出会って、オトヒメ助けて、夢オチ。なにがなんだか。
確かなことを挙げていけば、前巻イササカから偶然にも手に入れた鍵が役に立ったこと、オトヒメから指輪をもらったこと、手下の三人は覚えていないこと、アイコはポケットの不思議な体験を詳細に知っていたこと、ですかね。となれば、やはりアイコの呪文で白昼夢を見せていたということになるのでしょうが、それだと現に指輪があるし、鍵は手元にないし、読み手の僕はなにがなんだか。ポルナレフ状態ですよ。

竜宮城といた人たち
あのお城はなんだったのでしょうかと言われれば、浦島太郎という言葉とオトヒメが登場したので竜宮城なのでしょう。
しかしわからないことは、竜王をはじめ、竜宮城にいた人たちの外見がどれもジャンケンポンと瓜二つだったところですね。同じドッペルゲンガーとしてジャンケンポン同士で立ちあうならまだしも、三人がいない状態でジャンとケンと出会ったら、もうそいつ途中で別れたジャンとケンということなのでしょう。いや、わからないです。
あと、竜王ケンの「人間食ってしまうぞ」宣言には驚きましたね。人間を食べるなんてそんなこと、カルバニズムやるのかと思いましたよ。オトヒメだけなら食べる(意味深)と勘違いされてもおかしくないですが、ポケットも食べるというのだから完全にカルバにズムですよね。竜王ケンからはネズミの時とはまた違ったヤバさが感じて取れました。
しかし、竜宮城の南京錠がイササカの鍵で開くなんてどういうことでしょう。竜宮城のガギをイササカが持っていたなんて想像がつきませんし、そこらへんもよくわからないです。
あ、竜宮城を見つけた時の「きれいだ。」というページの絵がよかったです。構図がとてもいいんですよね。

気になったフレーズ

「もしかすると、このキイは、どえらいなぞをとくキイかもしれない。」

しょっぱなのページでポケットが言ったセリフ。普通に聞き流す程度のセリフだと思いますが、海賊とはいえ子供のポケットが「どえらい」など言うのはおっさんみたいで印象深かったです。

「ポケットが、ふたりもいると思うか。」

ウミガメが言ったフレーズ。これを言う前にポケットは自分自身に会っていて、それを踏まえての言葉だと思うとちょっと不思議な気がします。「いた」のに、「なにいってんのお前」は混乱してしまいますよね。ポケットもよく正気を保っていたものです。

実験的な作品
この作品、いろいろなところで文章形式が変わっています。鏡文字があったり、逆さまにしないと読めない文字がありましたね。
それらはどうやって印刷していたのか疑問に思いながらも、鏡文字のところ実際に鏡を持って読みましたよ僕。数ページなら面白いですが、全部あれだと困るでしょうね。児童書ならではだと思います。

かいぞくポケットシリーズ六作品目です。
終始意味がわからないことがわかる作品でした。ただ物語としては進んでいないので、この巻は一種の日常回と言っていいかもしれません。
前巻の鍵が早速使われて、指輪に変わりました。指輪は「竜王のものよ」とオトヒメが言っており、竜王のものをなぜオトヒメが持っているのかは置いておいて、本当に竜王のものならポケットはどえらいお宝を手に入れたということになります。
感想には終始「わけがわからない」と書いていますが、実は摩訶不思議な体験をしてゆく展開は好みの展開で、内容としては僕好みなんですよね。
ただ、本当にわけがわからないです。なにがなんだか。

広告を非表示にする