とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

かいぞくポケット7 魔女のワナムケ

15冊目

かいぞくポケットシリーズ七作品目です。
実は六作品目の『かいぞくポケット6 竜王のたからもの』の記事にタグを付け忘れていたんですよ。
おかげで「読んだはずなのにない」ってな感じで、冷や汗をかいた上に目が覚めました。
では、感想を書いていきます。

魔女のワナムケ (かいぞくポケット 7)

魔女のワナムケ (かいぞくポケット 7)

ある日突然、海賊のお頭になってしまった子供ポケットは、今日もポケット号で大海原を航海していました。
手下の、ジャン、ケン、ポンの三人で習慣である合唱をしてていると、ケンが船の異変に気が付きます。
船の帆を立てていないのに、船が勝手に進んでゆくのです。
ポケットはおかしいことが起こったと疑問に思い、不思議なチカラを持っているネコのアイコに「君が呪文で動かしているんだろ」と聞くのですが、アイコは「呪文を使う元気すらないの」と、熱を出していることを言います。珍しくアイコは弱っていました。
勝手に進む船にポケットは舵を取ろうと手に取るのですが、恐ろしいことに舵は動きません。
この異常に対し、一行は進まないよりはマシだと、この問題を保留にします。その後、雨の日も風の日も船は相変わらず進み続けました。
ある日、奇妙さがより際立ちます。船の帆は風をなびいているのですが、逆方向に船が進んでいるのです。
やがて真っ直ぐと進むその先に、たくさん小さな島々が見えてきます。真っ直ぐ進むとポケット号は島に衝突してしまいます。
一行はあたふたとするのですが、不思議な事に船は島をゆらりゆらりとかわしてゆきます。それにポケット一行はほっとするのですが、安心は束の間のこと、次に目に入ったのはポケット号の五倍はあるだろう、大きな船でした。
ポケット号はその船に真っ直ぐ向かってゆくのです。



------(ネタバレあり)------



魔女ワナムケ
正直、アイコより強いキャラクターは出てこないと思ってました。なににしてもアイコの呪文が正義であり、最後の一撃はお決まりなんだとまで思っていたのですが、まさかアイコに師匠がいたなんて驚きですよね。その一番強いと思っていたアイコが敬語で喋る相手だということもあると思います、終始強キャラ感が出てました。
魔女ワナムケは指輪を五百年もの探していたらしいですね。魔女の女王になるとかなんとか、その指輪が王冠の役割をしているのかどうかはわかりませんけど、見つからなかった原因は海の中に落ちてしまったということでした。ポケットがオトヒメからもらったと伝えられた時に、ワナムケも海の中では魔法の効果が届かないというのを初めて気がつたようです。知った時に「なるほど」と考える姿があるので、おそらく今後は海のなかでも適用するようなすごい魔法を開発することでしょう。飽くなき探究心があるのはいいと思います。
ところで、この魔女ワナムケを見ると、グランチルダを思い出しました。知っていますでしょうか、グランチルダ。僕あのゲーム大好きです。

ワナムケの別荘
なんだったんでしょうかね、あの島は。最後にぼろい箱をジャンが開けたせいで大嵐になり、消えてしまったのですが、つまりあれは消えたり出たりするような魔法の島なのでしょうか。
そんなことできるなら、海賊の侵入も許さないとは思うのです。しかし骸骨があったしワナムケは「海賊の骸よ」みたいなことを言った以上、何度か侵入を許しているようです。
おそらくですが、ワナムケは「ここはあっちこっちにある別荘の一つだ」とかなんとかと言っていたので、常に別荘はいくつか海上に出したまんまということでしょう。そしてその周りの人が「たまに消えるあの島に魔女が居るらしいぜ」など噂となり、海賊ホイホイ侵入しているということでしょうかね。
このワナムケの別荘、人間からしたら嫌なもの、なんか魔女的な(やんわりと魔女のイメージして周りにあるような小物)がたくさんありましたよね。実際、人肉のレシピ本まであったわけですから、ほかになんか危ない薬とかありそうですよね。(イメージ)
しかし、人肉の料理ってマジキチですよマジキチ! 僕の中ではアイツのやばさは竜王を越えています。
一方で、アイコから見れば実家に帰ってきたみたいな感じなのでしょう。ポケットたちは「くっそまずいぞこれ!」とか言っていたあの晩食も美味しそうに食べてました。あるいは母親の味みたいなものだったと考えると温かいものがありますね。

メインヒロインアイコ
今回の巻は本当に健気でした。どうにかしてポケットだけでも助けようと交渉してみたり、ポケットを助けるために敵わないだろう師匠を眠らそうとする危険な行動に出てみたりと、ちょっとしたRPGのヒロインならあっさり超えてしまいそうなほど魅力あるヒロインになっています。
いつもツンツンしているからでしょうか、この巻のアイコは表情豊かで魅力的になっていますよね。
個人的にですが、最後にワナムケからの呪縛と言うんでしょうか、ポケットと旅をする許可をもらえてよかったと思います。これでダメだとかになったらもうお別れですよ。お約束といえばそうかもしれませんが、別れることなくて良かったです。
なんというか、この巻のアイコの魅力は文章にしくいです。実際読んでアイコの魅力を知ってほしいものです。
アイコがワナムケの料理を喜々として食べている画像ください。

かいぞくポケット七冊目です。
前巻、オトヒメからもらったあの竜王の指輪は、ワナムケが五百年探していた指輪でした。
鍵→指輪→と続いていたわらしべ長者がいったんここで終了しましたね。今回、ぼろい箱となったお宝は、ジャンがひょいと開けてしまい大嵐になって、もうお宝としての価値はないんじゃないでしょうか。
今までのお宝を含めて、アイコや船に生きて帰れてまた冒険を始めれるんだと言われてば、なににもかえられないお宝と言っていいでしょう。ただ、僕としてはこの道具が次巻どう使われるのか楽しみにしていたので、わらしべ長者がなくなるのはちょっと残念です。
この巻を読んで改めて思い返したのは、オトヒメを助けるために使ったあの鍵のことですかね。あの鍵、イササカの落し物です。鍵が竜宮城の牢の鍵であり、そこにいたお姫様を助け、五百年も探していた指輪を渡された……もしかしてイササカ氏、実はすごい人物なんじゃないでしょうかと。

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