とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

かいぞくポケット14 とうめい人間ジャン

30冊目
ついに三〇冊目です。
相変わらずかいぞくポケットシリーズですが、今回も相変わらず感想書いてゆきます。

とうめい人間ジャン (かいぞくポケット 14)

とうめい人間ジャン (かいぞくポケット 14)

子供ポケットはある日突然、海賊のお頭になってしまいます。三人の大人を手下に持ちながら今日も大海原を航海してました。
平穏な航海中、前に手に入れたペサの卵について話が持ちだされます。ジャンは「卵見せてくれよ」と言うのですが、ペサの卵はポンの宝物であり、ポンは誰にも見せることなく箱にしまい大切にしていました。
習慣の体操を終えた頃、キッチンからコトと音が聞こえてきます。音に気がついたのはポンでした。
ポンはポケットとともに音について、キッチンへ調べに行きます。
キッチンに到着すると、ポンにしか知らない場所においてあった箱がテーブルに置かれてあるのです。不審に思ったポンが箱を見ると、卵の鍵が開いており、開けば虹色に輝く卵が宙に浮いて出てきました。
ポンとポケットはその卵の美しさを眺めていると、卵は開いた扉の方に吸い込まれるように出てゆきます。
ポンとポケットはその後を追ってデッキに出ます。しかし虹色の卵は見当たりません。そこにはいつもの光景が広がっていました。
その頃ひょいと仲間の猫、アイコがポケットの方に乗ります。そして「いまに、おもしろいことが起こるわよ」といいました。
ポケットはアイコを邪険にすると、アイコは消えていなくなります。「今日はよく消える日だな」とポケットは独り言をいうのでした。




-----(ネタバレあり)-----



透明人間になったジャンの活躍について
ペサの効果により、透明人間にされていましたね。なぜというところは置いておいて、彼の活躍があってポケットは九死に一生を得ました。
本巻においてジャンの活躍はめまぐるしいものになります。まず大砲で不審な船を轟沈させる、ワニに向かって銃を撃つ、縄を切る……戦闘シーンはほぼ全部ジャンの功績になっています。
気になる箇所といえば、道具が浮いているということを見た時点でジャンだとポケットが気がつかなかったのかという部分ですかね。ポケットは終始、うすうす存在に気が付きながらも「わからない」と言っています。気がついていないなんてことはないでしょうから、確証を得られるまではジャンと断定しないのか、あるいは相手を油断させるのか、どちらにせよそれがカメの尋問にもうまいように働きました。

攻撃すれば増えるワニ
銃を撃てば増えていくワニが、白い煙突? みたいなところからポケット号に乗り込んできていました。最後には合計九匹になるなど、数では圧倒的な有利を誇っていましたね。
数でも多いというのに、口から糸を吐き拘束もできちゃうという万能ワニでした。あの糸の強度はどれほどなのかと想像してみれば、力自慢のケンも糸を切れないのだから相当の強度を持っていることでしょう。あるいはワイヤー程度にはあったのかもしれません。
ところで、攻撃すれば増えるワニとは、スーパードンキーコングシリーズで登場してそうですよね。実際居たかどうかは、ちょっと忘れてしまいましたが。

カメの王様とその他の仲間たち
なんかよくわからない一団でした。唐突に現れては、ポケット一行を食べようとしたのですが、透明人間ジャンによって阻止されて失敗していました。もしジャンが見えていたらおそらく、ポケットたちは丸焼けになっていたことだと思います。そう考えるとやはり偶然とはいえ、ジャンGJです。
個人的には、この動物たちは羽のある動物たちがまたしてもポケットの前に現れたのか。とか思ってましたが、思ったのは僕だけのようです。
ときに、最後に火の中にみんな飛び込むシーンには「どゆこと?」と僕も混乱しましたよ。火の中飛び込むことが、その一団にとってルーラ的な移動方法なのかもしれません。いや、それ違うと思いますが。

かいぞくポケットシリーズ14巻目です
この間は終始、ポケットがピンチに陥って、透明人間ジャンが助けるという展開でした。
ただ、最後の後半辺りでポケットが蝶になっていたというくだりは、安部公房の作品を見ているのかという気持ちになりました。そこについて感想書こうと思ったのですが、ニ、三回読んで僕にはよくわからない領域だと結論しました。
あれについて僕が思うのは、アイコの白昼夢的なものだろうということです。(困ったときのアイコ)
ところで物語の後半、挿絵にあるのですが、ジャンが見えるようになってからポケットと握手する絵があるんですよ。あれいいですよね。

砂の女 (新潮文庫)

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壁 (新潮文庫)

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