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とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

かいぞくポケット15 ロボット人間ポン

寺村輝夫 かいぞくポケット 児童文学

32冊目
幼少期に読んだ時の記憶がほんの少し残っている、かいぞくポケットの本だったりします。
たしか「けっこうピンチな話だった」というそれだけの記憶ですが、果たしてどうなんでしょう。早速感想を書いていきます。

ロボット人間ポン (かいぞくポケット 15)

ロボット人間ポン (かいぞくポケット 15)

子供ポケットはある日突然、海賊の船長になってしまい、それから手下の三人を引き連れて今日も大海原を航海していました。
平穏な大海原に、特に問題がなければ明日の夜にはンゴマ島に到着するだろうとポケットは手下に言います。
島上陸に備え、恒例の体操をしていると、前回手に入れたカメの甲羅が、体操の拍子でデッキに転がります。
カメの甲羅は甲羅のみだったのですが、転がったものを見るとカメが生きておりそのまま逃げ出そうとしました。
手下は体操をやめてカメを追います。カメはすばしっこく、やや手こずりながらもやっと捕まえました。
料理人のポンはカメを手に取り「カメのいいだしがとれる」とワクワクしていると、なんとカメは火花をちらして爆発するのです。
ポンはカメの甲羅を慌てて放り、手下の一人ジャンが手に取ります。
なにかと騒然とするデッキにて、ポンはジャンに「甲羅を海に捨てろ」と忠告します。その声はやけに甲高いものになっていました。


----(ネタバレあり)----



ロボット人間ポン
カメの爆風を受けてからか、ロボット人間にされていました。ロボットだから皮膚は固くなっているのかと思えば、そうでもなさそうだとなんとなく思ったので、ロボットというよりサイボーグというイメージでしたね。
料理人ポンが狂ったとなると、ポケット一行の危うさがより一層引き立ちました。偶然にもアイコが毒だと気がついたから良かったものの、気がつかなかった場合なんか、もう、みんな死んでいたと思いますよ。
もし海賊を壊滅に陥れたいのなら、食料を担当する人が毒を盛るのがやはりシンプルで強いと実感しました。だから麦わらの一味は某コックをすり替えて……というのがいいと思いますよ海軍さん!
ときに、ポンは炎の能力者かというほどの火を点けていました。撫でた箇所から発火するという、手をマッチに変える能力ですが、わりと強そうで漫画に映えそうだと個人的に思いましたね。

炎のバケモノ
今巻の黒幕としてあのよくわからない炎バケモノがいました。(名前が見当たらないので、火の鳥と仮に名づけます)
火の鳥だけあって、とても強そうな存在感がありましたね。実際に遠距離からポンを操縦していますし、灼熱を放つ存在感こそもうポケット号にフレアドライブ撃つだけでも勝っていたことでしょう。
火の鳥に対して個人的に気になったのは、「なぜポケット一行を襲ったのか」ということです。
ポケットにうらみがあるわけでもなく、中にあるお宝を盗もうとしたでもなく、金品を運ぶ手伝いをさせるわけでもなく、かといってンゴマ島にお宝を守っているわけでもなく……と、ただ唐突にポンをロボット人間にして、混乱をさせように僕には見えるんですよね。まぁ、混乱をさせようとした。となればとりあえずは納得はできるのですが、ちょっと不思議ですよねぇ。フレアドライブすればもう終わりなのに、そんな回りくどいことをしたのか。
ところでこの火の鳥は物語途中、ポケットに信号を警告をします。警告はポケットによって破られるのですが、その警告をする声は女の子だということが描写されてました。そして、ジャンの水鉄砲によって「きゃあ、た、たすけてぇ。」と声を出したのも女の子の声だといいます。
これは、もうあれですね。ポケットにかまって欲しかったんですよきっと。(勝手に結論)

冴えるポケット
この巻でもポケットは冴えてました。特にびっくりしたのは、ポンが作った料理の毒を突き止めるところです。
まず夜になってキッチンを探し、そしてマカロニグラタンの食材をそれぞれ切り分けて地面に置く。(これによって食材を食べて死んだネズミによって毒のある食材を特定する)なんて、子供がすることじゃないですよ。
それに、ポンを開放して「(キッチンにて)ちょっと聞きたいんだが」と言えば、ポンから怒鳴られて追い出されるんですが、その瞬間にもネズミが食材をすべて食べてあることを確認しているんですよね。この観察眼もすごいですが、普段は怒らないだろう大人に怒鳴られながらもこの冷静さ。やばいです。
それに加えて、この巻では推理小説の探偵並みの推理をするんですよ。そんな冴えるポケットに協力的なアイコなんて、もう脳内勝ちBGMが流れていました。

【まとめ】
かいぞくポケットシリーズ一五作品目ですね。
挿絵のロボット人間ポンの悪役ズラが意外と映えており、「こいつはやべぇ」感がひしひしと伝わってきました。それにポンが歌うマジキチな歌もあって、終始じわじわと追いつめられてゆくような不穏な雰囲気がありました。
記憶にあった「やばかった」という思い出通りに、この作品は危機一髪というよりはじわじわくるピンチに、かいぞくポケットシリーズでもトップレベルのおもしろさがあった気がします。個人的にはこういの好きでして。
ときに、この作品「こまったさんシリーズ」とコラボしているんですよ。同じ作者だからこそ、コラボが実現したのでしょうけど、ここでさらっとテレビが登場しているんですよね。途中に出てくるラジオはまだわかりますけど、テレビって、あの船でどうやって繋いでるのかそこが気になって仕方なかったです。

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