とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

かいぞくポケット17 こおったポケット

38冊目
かいぞくポケットシリーズ17作品目になります。
いつも行ってる図書館にて、僕が毎回かいぞくポケットシリーズ借りるものだから、かいぞくポケットシリーズが各一巻ずつだったのが二巻ずつ構成になっていることに気が付きました。(どうでもいい報告)

こおったポケット (かいぞくポケット 17)

こおったポケット (かいぞくポケット 17)

ある日突然お頭になるという稀有な体験をしているポケットという子供海賊がいました。ポケットは大人の手下を三人引き連れて、今日も大海原を航海しています。
手下の一人、ケンは前に手に入れたフクロウ石をお宝として大切に持っていました。誰にも渡さないようにと、ケンは肌身離さずポケットの中に入れており、ポケットもほかの手下もいつしかフクロウ石のことを忘れてすらいます。
ちょうどこの頃、雲はなく、海に島もなにもなく、ゆるやかに食糧難と水不足に陥りかけていました。手下もポケットも「水がほしい」とぼやきながら習慣の体操を行います。
体操を終えて、それぞれ日の照りから離れようと日陰になっているブリッジに向かいます。ポケット一行が一休みしていると、ケンの前に仲間のネコ、アイコがひょこっと出てきて「フクロウ石、海に捨てたほうがいいわ」と警告します。
それにケンは「いやだ」と拒否します。会話を見ていたポケットは「アイコが言うとおり捨ててくれ」と命令するのですが、ケンは頑なにフクロウ石を捨てようとはしませんでした。


----(ネタバレあり)------



氷河期現象について
なにやら一瞬にしてポケット号は氷の海に放りこまれていましたね。なにも徐々に氷河に入っていくのかと思えば、もう気がついたら氷が周りにあって進めない! みたいになってるものだからびっくりです。
温度差的にも風邪では済まない程度のピンチになりそうですよね。かなり前、遊園地に行った時、マイナス30度の世界でしたっけ? 寒さを体験できるアトラクションに入ったことあるんですけど、あの温度差は殺人的なものがありました。ポケット号の「食料がだめになった」とか「飲み水が凍っていて飲めない」とかないままに終わって良かったです。

フクロウ石
あの石はなんだったんでしょうか。前巻に書いた宇宙戦争のように、宇宙規模の争いを起こすほどのすごい石だったと言えるものだと想像がつくのですけど、なにもそこまで大切なモノがなんでほいほい海賊の手に渡っているのか疑問ですよね。
前の巻に登場した、タツノオトシゴのように特殊なことがなるわけではないところから、考えれることは前の巻で惑星侵略のためのシンボル的な石だったのかということでしょうか。最後はフクロウ(実態)となって飛び去ってもう、よくわかんないです。

風邪ひきサンタとド畜生ポン
サンタは今巻の癒やし枠になると思います。薬(風邪薬とは言ってない)を飲んで元気になったおじいちゃんですね。元気になってよかったで終わればいいのに、実はポンがサンタに渡したのはお腹の薬(下剤?)だったようです。もう、サンタはプラシーボ効果で元気になったと言っても過言ではないでしょう。思い込みの力は強いんです。
しかし、下剤を渡して元気になったサンタを見て「だ…駄目だ まだ笑うな…こらえるんだ…し…しかし」など考えるポンは悪いやつですね。サンタ、お前も気がつけよと思いますが。元気になったので結果オーライです。

オーロラの中に入るということ
作中、オーロラのカーテンに入る描写があります。あのトナカイのそりから落とされて、色とりどりの棒があって、その下には布のようなものが見えてきて……あの勢いがとても良かったです。「すごいな」と関心しました。なんと言えばいいのか、子供の持つ想像力に触れたような気がして、そのまま二周ほどそこを読み返しましたよ。
しかし、オーロラは七色のカーテンならまだしも、「七色の棒が果てしなく伸びて、落ちる先の布が受け止める」なんて普通思いつくことでしょうか。すごいですよ、児童文学作家さんは。

【まとめ】
今巻はわりとアグレッシブな巻でした。もう勢いだけで全部終わってしまうほどの、怒涛の展開に、ポケットが不意に凍って、アイコが助けて終わりです。もう細かく突っ込むのは野暮だと言わんばかりであり、そこら辺は僕もノリで読んでました。
それでも、ソリから落ちてオーロラにゆくあたりはとてもいい物があったと僕は思います。
あと言えることは、瞬間的に「凍ってしまったポケットを呪文で溶かすなんてアイコすごい」ということですかね。アイコすごい。

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