とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

かいぞくポケット19 サアナごうをうて

44冊目
かいぞくポケットシリーズ19作品です。もう19作品ですってよ。次は最終巻、はやいですね。
今回もさっそく感想書いてゆきます。

サアナごうをうて (かいぞくポケット 19)

サアナごうをうて (かいぞくポケット 19)

ある日突然、海賊のお頭になったポケットという子供がいました。ポケットは三人の大人を従えています。手下は大砲百発百中のジャン、力持ちのケン、博識で料理上手のポンというみんな有能な手下です。加えてアイコという仲間の魔法を使えるネコもいました。
そんな四人と一匹のポケット一行は今日も大海原を航海しています。
ここ数日ほど問題はなく、夏の太陽が照らす中、順風満帆に船は進んでいました。問題がなければ暇もできるもので、手下は各々の行動を休暇のごとくダラダラとこなしていました。そんな手下がいる一方、ポケットは一人張り切っていました。手下を呼んで体操を3回してみたり、「掃除をしよう」と指示したりします。手下はいやいや体操をして、いやいや掃除を始めます。
ポケットの掃除担当はブリッジとして、望遠鏡の掃除を始めます。ポケットはついでに望遠鏡を見てみるのですが、前方にとても大きな船がぽちっと見えるのです。
張り切っているポケットは「久々の船、手始めに襲ってやろうか」とやってくる船を前に知恵を巡らし始めたのでした。




-------(ネタバレあり)--------



初手必中大砲安定
海賊だからしゃーないとはいえ、「必中の大砲撃ちがいる」というポケット号は初っ端からチートを感じさせました。今巻の敵船が鉄の船だからこそ不意打ち大砲防がれましたけど、普通の船(海賊船と想像した船)ならば何もわからず沈められたことでしょう。当たるだけで神業といえるのに、恐ろしいことにジャンは船の煙突を狙ったらしいですね。しかも当てていたという、今に始まったことじゃないですけど、これは必中魚雷並強さですよ。
しかし、ジャンが打った大砲の弾が敵船の煙突にあたって跳ね返ったのはいいとして、その時言ったケンの、

「ジャンがうったのなら、こっちにめいちゅうするぞ。なにしろ百発百中だ!」

がなんかおもしろかったです。ジャンの打った大砲はジャン補正があるんでしょう。

サアナ号
乗客というより水兵たちは、アベコベのことを喋ってるよくわからない人達でした。白旗をあげて、ポケット達招き入れて、ポケットの挨拶ボコーなのですからもうびっくりです。気になるのは水兵のリーダーっぽい人もアベコベで喋って、ポケットボコーした本人でもあるということです。代表者ならばそれなりの敬意を持っていいでしょうに、ボコーですから、リーダーがあれなら手下(水兵たち)もあんなふうなのだと察しますよ。「アベコベ理解できないほうが悪い」と言われたらそうですけど、なんかもうめちゃくちゃですよね。
水兵の手下に関してならば、ポンが「まずいごちそう」やら言った後によくすぐにまずいごちそうを作れたものだなと思いました。旨い料理を作る並にまずい料理つくるの大変じゃないですか。焦がす程度ならその場でできるかもしれないですけど、腐った食べ物で料理なんてどうやってるのか。あ、残飯を利用したのかもしれませんね。
最後にサアナ号についてですけど、あの船はもともと水兵のリーダー(船長)のもの(国のもの)だったのだと思います。ここで僕がいいたいのは、ある日サアナにあの船は乗っ取られたんじゃないかということです。アベコベもおそらくサアナがつくったルールであり、守れなかったらお仕置き(ピストルで消されるなど)されていたのでしょう。水兵たちは従わざるを得なくなり、あの戦艦はサアナ号となる……あれ、魔法使いほとんど悪い人ですね。

魔法使いサアナ
魔法使いなのに自分が魔法を使うのではなく、道具を使っているという初めて出てくるパターンでした。
彼女の持っていたピストル、あとは指輪でしたっけ、偶然にも両方とも瞬間移動を効果とするタイプのようです。ここで思い返してみたいのは、いつか魔女のほうきを作る話があったときのことです。そのとき「魔女は道具を作ることを知らない」みたいなことを人魚が言ってましたよね、今回サアナが持っているあのピストルなんかはどこから作ったものかも知れません。
ところで、この人もなかなかに悪女の雰囲気を感じました。根っからの悪女というより、無邪気な女の子が残る悪女ですかね。悪い女の子ってあんな性格だったと思います。(偏見)彼女からしてみれば、宣戦布告無しで打たれた砲撃に対して戦ってるだけなんですよね。戦っというより、遊んだ感じすら感じますけど。
しかしサアナが笑ってる見開きはびっくりしました。一方で「おとなしくダイヤやルビーを渡せよ!」とポケット一行が脅してるシーンの口ぎざぎざサアナとポンの「まずいごちそうをいただこう」という声を聞いた時のしょんぼりサアナ可愛らしかったです。

ポケットとアイコ
この巻でおもしろかった展開といえば、ポケットとアイコが協力して悪役と戦うという流れになります。意外にも今までを振り返ってみても、「助けてアイコ」と言ったらひょこっと現れたアイコがポケットを助けるというパターンが多かったわけですから、この共に力合わせてて戦う! みたいなのはやはり見てて熱くなりますよね。雪を降り止ませてから、ポケットの砲撃、接触から逃げる流れよかったです。
ときに、アイコは魔法の指輪を飲み込むという場面がありました。唐突で驚いたものですが、飲み込むことで魔法を消化するというイメージなのでしょうね。

【まとめ】
終始バトル感ある巻でした。初っ端から砲撃、銃を向けられ、さらには対人間だとトッケポの巻以来の乱闘があったりしました。これ読んでてこう、ぐっと来るものがありました。やはり僕も男子なのでしょう。
アベコベに関しては眠かったこともあり、頭が痛かったです。下手なミステリー小説よりも頭働かせたかもしれません。書いているからこそ(文字だから)まぁまぁ理解できましたけど、ポケットは現場でちゃんと応答しているんですよね。すごいと思います。
余談ですが、イラストに関して初めて実写っぽい絵柄(というか実写)が出てきました。いや、前々からあったかもしれませんけど、この巻から違和感を覚えて、あ、原因は実写か。と気がついたものです。シャンデリアなんかわかりやすく実写みたいになってますよ。
イラスト関連で話題を続けてみれば、物語最後の絵でポンがさらっとクジラ釣ってるんですよね。そっちのほうが気になりますよ。あの後どうなったんですか!

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