とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

20歳からの金融入門

55冊目+今週のお題「20歳」
僕はもう20歳少し過ぎてるんですけれども、金融は知識皆無に等しいのでさっそく入門しようと思います。
(これ読んでいる時たまたま今週お題が「20歳」であり、ついでに参加することにしました)

20歳からの金融入門

20歳からの金融入門

文字通り金融入門になります。著者の美和さんが「学校では教えてくれないけど、大切な金融のこと(小中高と大学の間ぐらい)」を詳しく解説してくれていました。
読破後の感想といえば「分かりやすて良かった」という一言になります。「担保もろくにわからない僕でも理解できたレベル」といってもざっくりしすぎているように、どれぐらい分かりやすかったかは読んでいただくのが一番早いと思います。けれどもあえて難易度を考えて見るなら、本当に初っ端から中級編あたりなんじゃないかと思いますね。
あと、説明文章に「これはこうだから、こうだ」「あれはああだから、ああだ」など用語と知識を並べて淡々としていなく、「こうではないでしょうか?」と読み手に理解させようとしているところが個人的にいいと思いました。
おすすめしたいのは、金融について知りたいと思っている人、銀行の仕組みを知りたい人、振替と振込の違いがわからない人、あとは普通に高校生達……というか、みんな金融ついて少しでも触れたほうがいいと思います。(つい最近「担保」知ったくせに偉そうにする僕)

今回もネタバレありとありますが、この本で理解したことなど個人的なことを復習がてら備忘録代わりに書いていこうと思います。
(※間違って理解しているところがあるかもしれません)

---(ネタバレあり)----



基本的用語の確認(初級編)
負債:借金する行為のこと
資本:投資する行為のこと
中継所:市場と人を隔ててる金融機関のこと(例.銀行や信用金庫あと保険会社など)
市場:直接お金のやりとりをする場所のこと(例.株や債券など)
調達:資金を集める行為(負債も資本も含む)
担保:負債のための人質ならぬ物質。払いきれない場合、それらの権利は失うことになる
金利:貸し出した分だけの「がまん費」であり「お礼」とも言えるお金
複利:金利金利を生み出す性質のこと(払わないと雪だるま式に増えてゆく)
株主:株を持っている人たちのこと
株主総会:一年に一度行われる会社の方針を決める重要な会議のこと
委任状:株主に送られる株主総会への招待状
金融資産:返してもらう前提のお金などの資産をまとめた呼び方(株や配当などを含む財産)
運用:金融資産を作り出すためにお金を出すこと(金利や配当など狙って金融資産を使うこと)
債券:負債を「券」にして市場に出した時の名前。(国が出したなら国債、地方が出したら地方債、会社が出したら社債
リスク:金融業界ではメリットとデメリットの振れ幅を指す
リターン:リスクのうちのメリット部分のこと

上にある「負債」「資本」「中継所」「市場」がこの本の話題の中心になってくる。なにが(負債か資本か)どうやって(中継所か市場か)お金を流しているのかを4つのキーワード使ってなんでもかんでも詳しく説明していた。
どれがどれなのかなんなのか、などはいちいち説明していては長くなるので置いておいて、気になった銀行システムを振り返りがてらざっとまとめる。

銀行
銀行は「中継所」という分類に入る。中継所(市場と人を隔てる金融機関)と書かれてあるが、この本風に説明してみれば中継所とは「防波堤」のような役目を持っている存在だ。つまり、大海原(市場)の波(リスク)から守る存在だといえる。
銀行のビジネスとしては、単純に言えば「お金借りたい人」に比較的低い金利でお金を貸し出して、返してもらいながら回収する金利が収入となっている。
ただ銀行がお金をたくさん持っているわけではなく、「お金を借りたい人」にお金を貸出する時、銀行は人々から預かっているお金(預金)から「お金借りたい人」へ送る仕組みになっていてもいる。いわば銀行は「お金借りたい人」に貸出をしていて、(銀行は)人々に負債をしているといえる状況とも言える。
なのに人々はなんで銀行にお金を預けるのかというと、「ほぼ確実に預金がなくならない」という安心感を買っているからであり(リスクがほぼない状況)、リスクがないがゆえ、(銀行は)人々から比較的安い金利でお金を集めていているのだ(かしこい)。そこで生まれる「お金を借りたい人」への貸出の金利と「人々」からの負債の金利の差額(利ざや)が収益といえるだろう。
もし「お金借りたい人」がお金返せないという状況になったらどうだろう? 答えはリスク分散によって解消される。同時に沢山の人の「お金借りたい人」の仕事をこなすことで、「お金を借りたい人」の1人Aさんが払えなくなっても、その他沢山の人の金利でなんとかする仕組みをとっているのだ(詳しくは本書で)。これは銀行が負債をしている「人々」にもいえることで、仮に「人々」のBさんが銀行に貸出(その人にとっては預金です)をやめてしまっても。その他「沢山の人々」が居ればやりくりだってなんら問題なく可能だということだ。
最後に銀行がなぜ低い金利でお金を貸し出しできるのかという理由は、銀行がもつ「情報」によって答えられる。貸出の際に信用リスク(この人は信用できるか「本当に返してくれるんだろうか?」というリスク)などを審査することになるのだが、それらは銀行が持つ預金通帳を見ることで(もちろん他の審査もあるだろうが)本人と銀行でしか知り得ない情報(預金通帳の収入と収支の情報)が得られる。この情報のおかげで、余計な出費なしでままで貸出が可能になる。銀行という場所が信用できるから安心して人々は預金できるし、その預金を特殊な「情報」を見ることで「お金借りたい人」に貸し出しできるし、「お金を借りたい人」も銀行で安い金利のまま借りることができるのだ。

基本的用語の確認(中級編)
流動性リスク:最低限のお金がない状態の不安のこと(その瞬間のお金が手元にないため、物を売ってしまう損失があるようなリスク)
市場リスク:株価の急落などで訪れるリスク(もちろん上昇リスクもあり、価格変動リスクとも呼ぶ)
金利リスク:一定の金利で貸出をしていた時にインフレが起こり、高い金利で貸し出さなければならないのにそのままになるリスク
インサイダー取引:ある企業が出してない情報を事前に手に入れて、それを利用し株を売り買いすること(だめです! 犯罪です!)
委託銀行:お金を預かったり貸し出したりする他に、◯◯委託など「プロが代わりに投資をしてくれますよ」というサービスをしてる銀行
分別管理:普通の銀行がごちゃまぜにした(だからこそリスクが少なかった)のに対して、ごちゃまぜにしない預金管理のこと
投資信託:「プロが代わりに投資をしてくれますよ」というそれ。作中では「(金融版)刺身盛り合わせ」と表現されていた
ファンドマネージャー投資信託するプロの役職名みたいなもの
モニタリング:「負債」または「資本」した相手がだらけないように監視することの名前(負債なら契約、資本なら口出しの権利など)
リスクプレミアム:リスクが高い人にむけて高い金利をかけること(プレミアムといっていい意味ではない)
レバレッジ効果:「負債」の金利が定額なのを利用して負債と資本を組み合わせて調達し、最終的な利益を高めること
プライムレート:銀行などが基準としている(基準金利金利のこと(これにリスクプレミアムが上乗せされる)

途中に証券会社についてのことが書かれる。個人的に証券会社に対して「(株取引をしてる)なんかすごそうなところ」というイメージがあったので内情のシステムは意外な(市場の交通案内人)表現がされていた。次に本書を読むことによって、ぐっと近づいた感じがした証券会社についてまとめる。

証券会社
証券会社が「交通整理人」として例えられた理由は、株式のシステムを知ることによってなんとか理解できる。
株式とは、今後の期待値で固められた銘柄(会社の株券)が並ぶ市場と言っていい。期待するべき企業があれば、求めてる人が居て、売りたい人も出てくる。企業は入らずに取引する人たちで、わいわいとしているのが市場である。(てかそもそも、高い株だろうが安い株だろうが、その株取引をしている差額の売上は企業に入らないの知らなかった)
ここで考えて欲しいのは、いわば市場で株を買う(売る)とき、その相手を見つけなければ買えない(売れない)ということだ。両方の株の銘柄と株数が合致しないと株取引成立できない。困ったことに株の銘柄むちゃくちゃあり、目的の株を見つけるのは至難の技だろう。その状況で頼りになるのが(交通整理人)証券会社ということだ。ちなみにスムーズに株取引を成立させることを「ブローカレッジ」と呼び、ちゃんと手数料とられる。
なお最近はネット証券というものが出てきて、証券会社の仕事がなくなるかもしれないともあった。ただ証券会社の人達は「交通整理人」だけをしているのではなく「トレーディング(お客さんの買いたい要望にすぐ応じられるようにあらかじめ銘柄を仕入れて売ってあげたり)」「ディーリング(お客さんが買っていた証券がだだ下がりする前に転売してあげたり」といろいろ他にやることはたくさんのようだ。
あと加えて証券会社は新しくできた企業の株についての相談(いろいろめんどうごと)を一手に引き受けて代わりにこなすのも仕事の一つだという。それは「アンダーライティング(引受)」と呼んでいた。

基本的用語の確認(上級編)
アクチュアリー:特殊な「情報」の確率を計算し、いくらのお金を出せば帳尻が合うようになるか計算する専門の人のこと。
CDS:(クレジット・デフォルト・スワップ)いわば「倒産保険」借金が払なくなった状況の時、肩代わりしてくれる権利がある保険。
CDO:(コラテラライズド・デッド・オブリゲーション=債務担保証券CDOから出された「架空の」借金を集めて証券化した債券のこと
ボラティリティ:(価格変動率)株価が激しく変化する可能性のこと。
新株予約権付き社債社債に一定の条件になったら株券に変わる代物。株価が上がった時に株券同様権利を使えるようになる
ハイブリット証券:新株予約権付き社債のように負債でありながら資本の効果があるもの。リスクは大きい
劣後債:お金を返してゆく時「最後でいいですよ」という負債。そのおかげで金利は高くすることが多い
優先株:他の人達に配当や出来払いができない状況でも、率先して多めに配当をもらえる優遇してもらえる株のこと

ちなみに補足をするなら、CDSは車のような(一つのものに対して一つだけの)保険ではなく、たくさんの保険を同時にかけることができる保険である。よって、それら保険のは増やすことができ「架空の」借金を集めて証券化したのがCDOということだ。(あってんのか不安)

【まとめ】
下町ロケット』や『半沢直樹』(あれ、両方とも池井戸潤さんの作品ですね)などによって世間から銀行マンとは、熱い風評被害を受ける存在なのかもしれません。実際に僕も「銀行は晴れの日に傘を貸そうとするが、雨の日には傘を貸さない」というイメージであったので、これ読んだ時、銀行のシステム(金融もです)はすごいなと、銀行マン(および金融マン)の働きはすごいなと、「もう銀行マンは言われるほど悪役ではないじゃないか」と思いました。まぁだからといって「良い人ではない」とも思いますけど。(小声)
ところでこの本、作者さんは「小学生でもわかるように書いた」とあるんです。読んだ僕としては、わかりやすいのは十分にわかります。けれども、これは小学生にはむずかしいんじゃないかな、と思いましたね。でも一方で理解できないことはなく、仮に小学生がこの本を理解できたならば、「その子は将来有望才能人ですよ」と自信を持って言えそうです。やはり本は積極的に読ませるべきですね。(無理に読ませるのはダメですよ)

下町ロケット (小学館文庫)

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下町ロケット2 ガウディ計画

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半沢直樹 -ディレクターズカット版- DVD-BOX

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オレたちバブル入行組 (文春文庫)

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orbital period

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