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とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

人類は衰退しました8

田中ロミオ 人類は衰退しました ライトノベル

56冊目
人類は衰退しましたシリーズも終盤ですよ。

人類はゆるやかに衰退する一歩をたどっています。現在人類は「人類」と呼ばれておらず、「妖精さん」という種族が「人類」と呼ばれるほどには人はもういません。
それほど人がいなくなれば、争いや事件などほとんど起きなくなってしまい(影では多少あります)、そうなれば旧人類はもう危機感など持つことなくスローライフを楽しむという状態でありました。
主人公のわたしは調停官という職業についています。調停官というものは現人類である「妖精さん」とコンタクトをとる専門の国家公務員であり、あるいはクスノキ里の厄介事担当者でもありました。

本作品は『妖精さんたちの、ゆめであえたら』が収録されています。

妖精さんたちの、ゆめであえたら
以前、ヒト・モニュメント計画にて(里が全壊レベル)の被害を受けたクスノキ里は現在もなお復興に明け暮れていました。復興をするというのは必死感があって聞こえが良いものの、実情はたくさんの救援物資に囲まれてぬるま湯に使った状態と成り果てていました。
わたしは「仕事もしなくても、衣食住が揃っているような状態は人をダメにする」と危惧します。救援物資してもらっている相手にもぬるま湯に使っていることを悟られ、復興状況に絶望して里を出て行く人も後を絶たちません。問題は出てゆく人はみんなまともな人だということで、遅れている復興はどんどん進むことすらしない状態になっていました。
ところで、そんな大変な中で祖父は旅行にでかけます。行き先は「月」です。冗談にも思える行き先にわたしはクラクラとしながら、里が大変なことを訴えたのですが、祖父さんは浪漫を求めて月に飛んでしまいます。
かくしてクスノキ里の調停官わたしは、たったひとりでこの状態をなんとかしなくてはならなくなったのです。



-----(ネタバレあり)-----





行き先は月
旅行の行き先がぶっ飛び過ぎてて僕も「は?」ってなりました。まぁ、なんというか鳥人計画(以前の鳥人コンテスト)のことを考えたらわからんでもないという計画にも思えました。ただただ彼らは「無謀」ではなく「浪漫」を追い求めてるんですよ。あ、僕は望遠鏡眺めてるだけでいいです。

復興支援
この復興支援によってクスノキ里の人たちをダメにしていたようです。賢明な人ほど早いとこ里を脱出している様子に、里としては見切られている感がまたあれでした。僕、復興支援も考えものだと思いましたよ。いや、なくてはらないものですけどね。
ちなみに今巻の復興支援ですが、このご時世(あの世界)のことを考えるとかなり豪華なように思いました。それほどまでに被害がものすごかったということ、加えてかなりの人たちが身を切るような誠意で物資を用意したこと、懸命に物資を届けたこと想像します。なのに、受け取り手は遊び呆けてるなんて、やっは人は危機感を持たないとだめになるんですね。(遠い目)

キャンペーンによるマスク
あのマスク見てまず思ったのは「『Splatoon』やんけ!」です。時系列的にはこちらが先で、イカはまだ売られてないということ気がついた上で1人ツッコんでいました。(というかたまたま見た目が似ていただけです)
そのマスクというものは顔につけると体温で稼働するらしく、レンズにていろいろデジタルな表示されるらしいです。
仮にちょっとした体温で発電できたとして、それでもあの情報量(たくさんの情報を対応可能)を見えるというのはすごいテクノロジーですよね。おそらくシステムはデータがヒト・モニュメントの中に入っていて、クラウド化した情報をマスクによって「見ているだけ」なんでしょうけど、いやすごいです。そういうの東京オリンピックまでに実現しないかなぁ……。あ、ポケモンGOで可視化できたならきっと楽しい。(確信)

この作品のわたしについて
さて真面目に書いていきます。この今巻、わたしがかなり無理をしているようでした。ふだんから無理をしてなんとかする。という傾向は察していましたけど、今巻その傾向がよりいっそう際立ったんじゃないかなと思います。
考えすぎてて不眠症(作中では寝てない自慢をしていますけど)更には祖父の死(間接的なもの)を伝えられたこと、あとは本人の不器用さ(抱え込んでしまうタイプ)が相まってとても痛々しいシーンが物語途中続いています。
やはりヤンママさんの影響が大きかったですよね。妊婦がいるのに妊婦を見てくれる産婦人科医の人がいないって結構な絶望感を覚えますし、子供が生まれれない状況と聞くといよいよ人類が亡びてしまいそうな感じがします。と書いておいて、「赤ちゃんは無事に生まれてくるもの」というイメージで固まっている日本のありがたみを痛感します。
それでも結局のところ、そんな難航な課題もわたしがなんとか丸く収めているんですよ。すごいですよ! きっちり仕事はこなす姿にすごいとしか言えません。

プチモニとKさん
まず「I」。前巻から思っていたことですが、このプチモニさんがわたしと対照的で(やる気あるわたしみたいで)行動もかけあいもなんかおもしろく、個人的にはぐっどでした。やる気ある時のわたしってあんな感じなんだろうなと、1人思って、やる気ある時のわたしはお節介で空回りしてそうなタイプなんだと1人思いました。だからこの(わたし特有の)だるだるが仕事こなすのにいい塩梅になっているんでしょうね。
つぎにKさん。彼女のピュアっぷりはさておき、夢にログインしてた時に日が暮れたら寝る的なことを言ってました。たしか宵の中頃(作中では夢の中でわたしが白い粉ばらまいたのが夜9時頃)とあったので、その時すでにKは寝るモードなんでしょうね。ここで言いたいのは、僕もそんな生活を現にしているという寝ている自慢と、そんな生活を「おばあちゃんみたいな生活」と表現していたわたしも、たまにおばあちゃんみたいな反応して……ませんね、ませんよ? いやなんでもないです。


よくわからない世界でした。一言で言えば、「妖精さんの作った睡眠薬がトリガーとなる集合的無意識世界」といえるんじゃないでしょうか。トリガーとなったのは妖精さんの白い粉(ラクッコピコリン)であって、作用したのはマスクとヒト・モニュメントなのがおもしろいとこですよね。夢想的な要素と科学的な要素が合わさった世界というものは、物語的に見ればとても魅力的な世界と言えます。
ただ夢のなかについては、わたしが中を散策しなかったこと(現実が大変だったこと)とかあって詳しく書かれていませんが、もうなんかもう、欲まみれのすごいことになっていたんじゃないでしょうか。書いてないだけで夢のなかでは食べまくりのヤリまくり、酒池肉林をなんて当たり前な世界になってそうですね。知識欲的な交流もあってもいいと思うんですけど、多数決の原理を採用しているようで、おそらくそういった深い趣味を持つ人は少数になって多数決で負けることになってたでしょう。しかし、食欲も性欲も尽きないことを考えると恐ろしい。僕としても夜はゆっくりしたいので、ちょっとログインするだけでやめちゃうだろうなぁとか思いました。ただ、わりと(多数決や無意識の統合など)あの世界特有の合理的なシステムは高評価です。『イイネ!』ボタン押しちゃいますよ。プチモニに。
ときに胎児の夢(こうしてみると読んでないですが『ドグラ・マグラ』を思い出します)を媒体に植物は現実社会でも植物は侵食してきたようです(妖精的に言えば「社会に出てきた」と言えるのかも)。これは早期発見できて個人的には良かったと思います。社会的な植物には悪いですが戻ってもらったほうがいいです。やはりあの世界はなんというか、魅力的な世界でもあるけど、危なっかしいように思えたので。

夢であえたら
物語途中のこと、わたしは祖父と通信をします。そのとき「大事にはなってない(意訳)」と通話をしてわたしを安堵させる重要な場面なのですが、あの場面について「わたしが思う無意識が形になったのではないか?」と個人的に思いました。仮に多数決の原理がなくても、1人ならば少しの範囲でのみ(世界のルールを変えるレベルじゃなくて個人レベル)でなら思うようにはできると考えたのです。
実際はどうだか(妖精さんもいましたしね)わかりませんけど、そう言った思考が回らない程度にはわたしが参っていたということが察して取れました。そんなことをを告げるように、含んだことが書かれて次の巻に続くんですよね。たしか次は最終巻でしたっけ? 次の巻で祖父と夢であえたらだけにならないよう願うのみです。

【まとめ】
今巻も超おもしろかったです。僕の好きなものほとんど入ってるんじゃないじゃないかと錯覚(錯覚です)してしまいそうな思いでわくわくとページをめくっていました。
ところどころブラックユーモアが相変わらずあって、それがまたいい感じなんですよね! どれがどれなんてもんは……いや、挙げませんけど。
あと物語最後にあったリアルステータスパラメーター化もいいですねぇ。クスノキ里に行けば見れるんですか? え? 今なら家を作ってもらえるんですか!? 移住しますよ! ステータス底辺だけどバリバリ復興しますよ! 今からでも飛んで行きますよ!

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