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とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

JC科学捜査官 雛菊こまりと“ひとりかくれんぼ”殺人事件

上甲宣之 ライトノベル

81冊目
うわようじょつよい

ちょっとなにいってんのか、というタイトルですが、タイトル通りの内容です。

ざっと説明すると、14歳にして(飛び級で)博士号候補生の天才雛菊こまりは、大学のつてによりアメリカFBI科学研の特別研修生に選ばれます。
さらにそのころFBIでは優秀な人材を育成を目的とした(将来有望な学生も含む)、新たな研修がスタートし、その一環として日本との人材交流が試験的に行われることになり、特別研究員としてこまりは選ばれるのです。
かくしてこまりは日本の兵庫県科捜研(これもつてである)にて特別研修することになるのでした。

一方で女性講師(吉木理紗子)の変死体が大学の使われてない校舎で見つかります。
現場は妙な様子であり、理沙子は幽霊の存在を証明する心霊実験をしていたり、まるで儀式をしていたかのような異様さがありました。
理沙子はと言うもの「ひとりかくれんぼ中に殺された」というのです。

こまりと兵庫県科捜研はこの怪奇的な事件に挑むことになります。


---(ネタバレあり)----



天才こまりちゃん
普通に天才でしたね。唯一子供っぽいと思えるところは「コーラがすき」という特徴でしたけど、思えば大人だってコーラすきな人いるわけで、総合的にもう普通に大人として通用するレベル(むしろ超えてしまうレベル)の秀才っぷりを作中見せていました。
個人的な感想ですが、もっと子供っぽいシーンがあってもいいかなと思いました。せっかく中学生なんだから、もっと幼女っぽくしてもええんやで、みたいな。
まぁけれども、初仕事であり上司から「結果を出せ」と言われ、祖父に成長見せなくちゃならず、生真面目な性格もあって……とあれば、子供っぽさを押し殺している可能性はありますよね。
ただ子供の癖にと言うのもなんですが、普通に「2徹余裕です」みたいなこと言うってなんすかね。いや僕、1徹すら難しいのに。こういうところで差が開くんですかね……。

兵庫県科捜研メンバー
個性豊かなメンバーでした。まともな人は祖父宗一郎さんぐらいしか居ない(失礼)ぐらいで、あとはもうなんかいろいろ癖ありすぎて、上の人(白鷲梓)の苦労が伺えます。
ただみんな有能でして、作中ほとんど徹夜を貫き、なんとかかんとかしてしまう(唯一の失敗を挙げるとすれば、こまりちゃんを信じなかったことぐらい)のがさすがですよ。
「結果をだせ」を体現しているんですよね彼ら。結果を出すって言うの簡単ですけど、大変だと思いますよ。
個人的に好きなキャラは流王喬子アネキですかね。彼女、なんだかんだ世話焼きすきそうですから見てておもしろいなぁ、とか書いたら右ストレートパンチ飛んできそう。

ひとりかくれんぼ
このひとりかくれんぼというもの、ネットで広がったみたいです。この作品の発端もインターネット掲示板みたいなもので、僕もそういう場所でひとりかくれんぼを知った一人になります。
インターネット掲示板というのは、こういった裏情報みたいなちょっと危ないこと書かれてますから、ひとりかくれんぼに限らず注意するべきですね。深淵を覗くならば……を思い出します。
ところでひとりかくれんぼについて、僕は手段を知っているだけで、実際にやったことも動画すらも見たことありません。だって怖いんですもの。

心霊番組のこと
心霊番組がやらせだったこと、それが本書のミスリードになっていますが、本来の真相は金目当てのよくある殺人でした。
気になるのは心霊番組がやらせだったことということです。僕は怖いんの(映像画像が特に苦手)なのでよく分からないんですけど、そういうのおおいと心霊番組見る人って何を目的としてみているのか改めて分からなくなります。そうかんがえると、映像の演出など見ているんでしょうかね? なににせよ幽霊否定はと肯定はの会話は興味深かったです。あの霊を呼び込む術(手順であるんだ)という派閥と「いやあれは自己暗示だ」という派閥、どちらにせよ「悪害じゃないか」という僕の視点とか。
まぁ人間は夜更かししないで寝ろということでしょう。

ことの真相
真相はよくある(といったらおかしいですが)金を目的とした殺人でした。そのときの落雷が決めてとなり、犯人の若い警備員が逮捕されていました。
この若い警備員が犯人だというもの、僕が覚えている範囲で犯人ヒントとなるのは「長い髪をしていた」程度のもので、その程度のヒントで「あぁこいつ犯人だ」と分かった人っているのでしょうか。居たならすごいです。僕はせいぜい「自殺じゃねーの?」というほどまででしたからね。
しかしあれだけの犯行をしてなにごともなく警備員しているなんて、しかもたくさんの警察官を出し抜くなんて、あやつけっこうやるのではないか? とは思いました。まぁ、借金かかえたバンドマンらしく、ただゲームのように楽しんでいる、とも考えられますが。

終盤の展開について
終盤のこと、こまりちゃんが赤錆に気がついて「大学の水全部調べなきゃ」というあたり、あのあたりの科捜研反応薄すぎない? と言う話です。
いやべつに展開として盛り上がる(みんなから否定されても一人健気にがんばるように見えて)悪くないんですけど、今ままで徹夜して認め合った上司(流王さん)いるし、祖父さんいるし、そのほか一人前だと認めている仲間達もいるのだから、この子供の言うその鋭い指摘に多少たりともう納得してほしかったなと思いました。
だって一致団結して仮にも容疑者らしき人物を見つけたのだから、そのあと(こまりちゃんが)気になるところ多少たりともうなずいてほしかったですよ。急に冷めて「え?」ってなりました僕。

優秀なこまりが使いこなす機械
使い方を一発で覚えた天才こまりに操られている機械の話ですが、あの機械、半端なく優秀でしたね。
これと挙げませんが、なんかいろいろ出て来てどれも「すげぇ」と思いました。あの機械たちもある意味ファンタジーかとか思えば、なんと後ろに参考文献があって「実際にあんのかよ!」と驚いたものです。かがくのちからってすげーですよ。
お化け解明がこの作品の目的みたいなものかもしれませんが、このお化けを解明する機材もなかなかの怪異を感じます。なにせ飛び散った血は大体分かる、髪についた垢のDNAで人物特定できる、塩水に濡れた機材の修復、人の歩いた足跡を浮かび上がらせる、ぬいぐるみから指紋を探る、最番現場を再現する……なかなかに魔法みたいです。

参考文献
ここでは後ろにあった参考文献を(僕が捜しやすいよう)まとめておきます。

最新科学捜査がわかる本

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犯人は知らない科学捜査の最前線!(ナレッジエンタ読本24)

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科学捜査―あの事件の犯人は、これで浮かび上がった! (主婦の友ベストBOOKS)

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図解入門 よくわかる分析化学の基本と仕組み[第2版]

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死体の犯罪心理学 (アスキー新書)

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監察医が書いた 死体の教科書

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死体の視かた

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死因不明社会2 なぜAiが必要なのか (ブルーバックス)

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霊はあるか 科学の視点から (ブルーバックス)

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怪談の心理学―学校に生まれる怖い話 (講談社現代新書)

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【まとめ】
こまりちゃん天才でしたね。そして最新の機材も有能でした。そこにトリックやら推理が入る余地はなく、ただ現場を「捜す」だけで答えほぼ分かってしまうのは、時代かなとか考える一方で最新の機材はすごいと思いました。
そういえばですが、しょっぱなにこまりちゃんがネット掲示板で「犯人見つけた」宣言してますけど、あのときからすでに異変(文体の異変)に気がついていたのでしょうか。まぁ、こまりちゃんなら気がついてそうです。やはり天才か……と言いたいところですが、中学生なのにネット掲示板は早いと思います(マジレス)。

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