とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

好きなジャンルと好みの作品の傾向の話

番外編
ひさびさのコラム

なんだか自分語りがしたいと思い、今回更新はコラムになります。
テーマは「好きなジャンル」について、です。



好きなジャンルがなかったころ
「暇なとき? 小説とか読んでるよ」と答えたとき、「どんな小説を読んでるの? 好きなジャンルとかあるの?」とか聞かれることがよくあります。こんなブログ書いておきながらですが、僕は特別活字中毒というわけでもなく、本を読むのがめっちゃ好きというわけでもありません。ただちょっとした興味をもっていろんな本を読んでいます。
問題はそんな「ちょっとした興味」が多岐にわたり、これといった好きなジャンルとか、好きな作家とかがいなかったんですよね。もちろん好きな作品はいくつかあるんですが、ただその本が好きですべてがすべて、「ホラー小説が好き」「戦国時代の本が好き」などこれと言ったテーマが思いつかなかったんです。だから答えようがなく、しいて答えるなら「読みたい本を読んでるだけだよ」といったものです。

好きなジャンルをめぐって
「好きなジャンルはなんだろう?」といろんな本を読み始め、探し、同時に個人的に好きな作品にある条件を挙げてみたりしました。挙げてみると「SF的な世界観」「不思議か奇妙な話」「冒険とかする」「ロマンがある」……など条件こそあれど、これと言ったジャンル名があまり思いつきません。どうしてもジャンルと言うより「作品名」が出てきます。
そんなぼんやりとした好きなものというものに対して、明確に言い切ってしまうのはそれこそ無粋なもののように感じ、好きなジャンルについてはざっくりとした理解のまま本を読んでいました。

そんな僕ですが、そういう傾向の作品が多いのはライトノベルではないのか、とも漠然と思っていました。
ライトノベル、たしかに面白い作品もあり個人的に好みの作品がいくつかありました。読書するきっかけとなった『狼と香辛料*1、個人的にどストライクだった『人類は衰退しました』もあります。ほかにも読んでない名作がいくつかあるでしょう。『キノの旅』なんてまだ未読ですが読んでみたい作品の一つです。

人類は衰退しました1 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました1 (ガガガ文庫)

好みの作品を思い返して見えてきたもの
ライトノベルはおもしろいが、ライトノベルが個人的に好きなジャンルにあてはまらないのでは?」と気がついたのは最近のことです。そして同時期に「好きなジャンルはSFにあるのではないか」と思い出した一方で、好みの作品を思い返してみたりもしました。
SF系統だと、このブログで紹介したものとして『虚構の男』、個人的に読んだものだと『新世界より』なんか好みでした。
ホラーだと、このブログで紹介したものだと『夜市』、個人的なものだと(こちらもブログに書きましたけど)『玩具修理者』とかですか。
冒険ものだと、このブログに書いたのだと『氷山の南』、個人的なやつだと『旅のラゴス』とかでしょうかね。

虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)

虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)

新世界より(上) (講談社文庫)

新世界より(上) (講談社文庫)

夜市 (角川ホラー文庫)

夜市 (角川ホラー文庫)

玩具修理者 (角川ホラー文庫)

玩具修理者 (角川ホラー文庫)

氷山の南

氷山の南

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

ここで「あれ?」と思ったんですよ。「あれ? 個人的に好きな作品もっとあったような……」というふうに、思い返してみて残ったいた作品、その作品は共通したジャンルを持っていて、それが自分の好みのジャンルであり、今現在「好きなジャンルとかあるの?」と聞かれたらこたえる答えだということに気がついたんです。
そうです、児童文学です。
このブログに書いたものだと『穴 HOLES』、個人的に読んだものだと『はてしない物語』あたりでしょうか。両方ともとてもおもしろく読んだもので、いろんな個人的に好きな要素を持っていたのを覚えています。「児童文学」にしても、僕の中にある「好きなジャンル」という枠の中にバシッとはまる感じもありました。

穴  HOLES (講談社文庫)

穴 HOLES (講談社文庫)

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

とはいえまだまだというところ
紆余曲折考えて、好きなジャンルは児童文学です! と言えるようになったとしても僕自身、まだまだ読んだことのない本が多く、本読みが抑えるべき基本の書籍を抑えていないなんてことが普通にあります。みんながおもしろいと思ったから「名作」といえるように、それらの本に触れたときにまた好みのジャンルが変わっているということも普通にあり得ます。
それに触れたことのないジャンルすらあるわけですから、こんなことを書いておいて、来年はまた違うジャンルが一番好み! なんて言っているかもしれません。

でもそれでいいかなと僕は思います。そういう揺さぶられる感じを覚えるために、みなが「おもしろい!」と言ってる名作をじわじわ個人的にでも触れていこうと思います。いろんな本があることでしょう。
そう考えてみると楽しみになってくるもので、そういったひそかな楽しみを持つのはいいことだと思います。この気持ちを上手いように使って、好奇心を満たし、ワクワクとし、豊かな生活にしたいものですね。

【まとめ】
好みの本をつらつら挙げながら、好みのジャンルについてだらだら書きました。
この記事読んだら、僕の好きな作品の傾向についてなんとなくでもわかったんじゃないでしょうか。そうです、こういった作品が好みなんです。
これを書いてて思ったのですが、おもしろいのは、僕もなんか言語化できないラインで好みを選別してるところです。改めて傾向を見たら「なんとなくわかる」と言えるかもしれませんが、明確な「この要素があるから好き!」ってやつが見えてこないというか、やっぱり全部曖昧じゃないか! ということなんですよ。
まぁ、好みの作品なんてそんなものですよね。

*1:狼と香辛料』の漫画版の出来めっちゃいいから漫画版もおすすめです。