とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

最新データで読み解くお天気ジンクス

168冊目
「巨人が勝ったら売り」みたいな話

最新データで読み解くお天気ジンクス (祥伝社新書)

最新データで読み解くお天気ジンクス (祥伝社新書)

「〇〇だったら今年は暑い」みたいなジンクスを聞くことがあります。
そんな話を天気が詳しい人が天気の情報をと共にいろいろ考えてみるという新書になりますね。

ジンクスと言ってしまえば所詮はジンクスなので、あんまり参考にならないような情報も数多くあるかもしれませんが、読んでみるとそれら迷信を踏まえて何かを感じることがあると思います。
注意するべきはタイトルに「最新データ」という文言があるところです。これの初版は2007年の9月5日なので、およそ11年前の話ということなり、話題の中がちょくちょく過去があるってところですかね。

※ネタバレありと書きますが、個人的に気になったところを上げていこうと思います。


ーーー(ネタバレあり)ーーー



気温と売り上げ
夏ひとつにしても暑くなるほど売り上げが上がるもの、下がるものなどあります。
作中出てきたやつに「アイス」があり、アイスは一見「暑くなれば売り上げが上がる」と言われているように実際暑くなれば売り上げが上がるそうですが、「一定の売上で頭打ち」になるのだそうです。理由はアイスの甘ったるい感じが暑すぎる状態になると口に残ってしまうからであり、それから売れ出すのがシャーベットのようなもので、さらに暑くなると冷たい飲み物しか売れなくなるのだそうです。
まぁたしかに35度超えた真夏日に濃密アイスは食べたいとは思いません。加えて書くならそれだけ暑いと室内クーラーも結構聞いてそうですし、わざわざ冷たいものをクーラーをつけた部屋で食べたいと思わないかもしれませんね。
そういえば夏におでんが売り上げのばしているらしいのですが、クーラーと関係してそうな気がしました。作中には「8月終わりから9月に売り上げを伸ばしている(意訳)」のみでそういったことは書かれてませんでしたが。

気温が上がるタイミングと下がるタイミング
夏や冬が来るタイミングによって業界の売り上げが変わってくるのだそうです。
おもしろかったのはその夏が「猛暑」よりも「6月~7月が平年より暑い」方が夏物の売り上げが上がるというところです。理由は簡単で、前々から暑い日が続くと「前もってクーラー買わなきゃ…」と言う風に前もって消費者が消費してくれるから結果的に売り上げを伸ばすことができるのだからだそうです。
これは冬でも同じような動きがしているらしく、冬も「寒冬」より「早く木枯らしが吹くこと」によって民間で「冬の支度した方がいいんじゃないか(今年は寒くなるかもしれない)」と暖房器具など売り上げが伸びるのだとかなんとか。
ところで、実際に「猛暑」「寒冬」になると人々の消費は多少増える(主に燃料)のだそうですが、日本全体で見てみると「冷夏」「暖冬」の方が利益が(石油などの燃料を民間が使わないため)得られるのだそうです。おもしろいことにそいういったやわらかい天候は世界中同時にやわらかく行われることが多いらしく、燃料の値段的にも緩やかな値上がりだそうですから、日本全体から見てみるとの利益分ではかなり得られるのだそうです。

低気圧と健康
低気圧になると具合が悪くなる人がいると思いますが(僕もそうですが)、低気圧になるとなんで具合が悪くなるのかここで紹介されていました。
ざっくり書くと、気圧(空気の圧力)と体の反発が釣り合っている状態から気圧が下がると「身体からの力が外に出ようとするのが強くなる」ために周りの血液がぐーっと外に向かい、各箇所の古傷などがうずいたり、頭痛など起こるのだそうです。ちなみに高気圧は逆に体に圧力がかかる状態になります。
そんな低気圧ですけど考えてみるといろんなところで受けていて、ちょっと高い場所に上ったときも鼓膜が変になるように、あんな感じになることよくありますよね(ちなみにあれは体の中の圧が外に出ようとするからなるんだそうです)。
あの低気圧を受けている状態、実はお酒が回りやすいころだそうで、よくいう飛行機に乗ってるとお酒が回りやすいってのもそれなんだそうです。ということは雨の日だってお酒が回りやすいでしょうし、そうなると雨の日にデートとか誘ってお酒を飲ませれば(雨の日は副交感神経強めですし)……など、想像が広がります。ちなみに雨の日(あるいは高層にあるレストラン)でお酒を飲みながら告白するといいのでは(意訳)、と本に書いてありました。

花粉と桜の開花予想
今ちょうど花粉の季節ですけど、花粉が舞う量と言うの「昨年の夏の暑さ」によって決まるのだそうです。
昨年の夏の暑さがひどいと花粉を出すスギの花の成長を促すからだということで、一方で冷夏になるとスギが自らを守るためにエネルギーを使うため花が少ないから花粉も少なるなるからだとかなんとか。去年はどうだったか……覚えてません(正直)。今年は夏が涼しくなるといいですね……。
一方で散ってしまった桜の方ですけど、桜前線は東京から開花していく年があるなど、異常気象のこともあってか妙な開花ペースになっています。この開花ペースだと「桜の開花予想」がより難しくなるわけですが、作中よさげな方法が書かれてありました。それは花粉の舞い始める早さを見るというもので、例えば平年より5日早く花粉が舞い始めたら「その年は桜も5日早く咲く」のだそうです。今年は桜もう散っちゃいましたけど、来年は気にしたいものですよね。

【まとめ】
けっこうな頻度で野球のたとえが出てきました。問題は僕が野球に対してあまりにも明るくなく、それぞれの「巨人が勝ったら売り」などいうフレーズが遠すぎたことでしょうか。それなりに野球や景気に対して詳しい人がいればもっとおもしろくこの本を読めたかもしれません。
ときに「最近、異常気象が増えています。なぜ異常気象が多いかというと、温暖化によって気候が変化しているのに私たちの常識が古いままだからです(意訳)」と書いてあって「たしかにw」と思いました。今はもう夏休みに家の縁側でスイカ食べるにしても暑すぎてできませんからね……。そういったところから日常が変わってきてるんだなぁと思いました。