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とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

刑事と民事 こっそり知りたい裁判・法律の超基礎知識

72冊目
関係ないようで、関係ある場所ですよね。裁判所。

刑事と民事―こっそり知りたい裁判・法律の超基礎知識 (幻冬舎新書)

刑事と民事―こっそり知りたい裁判・法律の超基礎知識 (幻冬舎新書)

裁判のことなどが書かれた本です。
このざっくりとした内容紹介の理由は、本当に書かれてあるのが超基礎知識であるからなんですよね。なので詳しいことが知りたい方は多少物足りないところがあるかもしれません。
ただ、僕のような裁判といえば刑事ドラマなどそういったものでしか知らない人にとっては、わかりやすく、さわりとして面白い本でした。
お勧めするなら、刑事と民事の違いが分からない人、あとは「法的処置」について説明できない人などでしょうか。
そういう基礎知識がままならない、僕みたいな人はこの本を読んでもいいんじゃないかと思います。


(ネタバレありとありますが、今回は個人的に気になったところを書いていこうと思います)

----(ネタバレあり)----


刑事ドラマと弁護士ドラマの違い
両方とも「紛争」を扱う意味では同じですが、刑事ドラマのほうは「刑事(殺人事件など)」を取り扱っていて、弁護士ドラマは「刑事も民事も」取り扱っているため、多少は違うということが書かれてありました。
僕からすれば両方とも「裁判」や「事件」を取り合っているのだから一緒なんだと思っていたのですから、このわけ方は「なるほど」と思いましたね。
少し説明をすれば、刑事とは「国家vs民間」となり、民事は「民間vs民間」という図になります(例外はあります)。
ここでの「国家」とは検察でして(警察は検察とは別物です、簡単に言えば被疑者を起訴できるのが検察です)、検察は持っている国家の力で容疑者に求刑すること(裁くこと)ができるんですよ。
イメージするなら殺人事件が起こって、犯人が捕まって、「こいつにはこのぐらいの刑罰が必要だ」と起訴するのが国家(検察側)、に対して「いいや、この人はやむ終えず殺人を犯した」と弁解するのが民間(弁護士側)といえるでしょう。そこから国家vs民間という形ですね。
一方の民事(民間vs民間)はというと、イメージするなら「不当に解雇通知を受けた」と訴える民間と「いいや正当だ」と答える民間で話し合われることになりますので民間vs民間という形になりますよね。(ちなみに互いに弁護士をつけるので弁護士どうしの話し合いとなる)
ところで僕が知ってる刑事ドラマと弁護士ドラマといえば『HERO』と『リーガルハイ』ですが、それぞれ思い返してみると、たしかに『HERO』は事件をやっていて「犯人を追い詰めつつ求刑」していたような記憶があります。一方で『リーガルハイ』は刑事だらけではなく、大体は慰謝料がからむ民事裁判だった気がしますね。というかほとんど民事だったような……(詳しく覚えてない)。
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超能力で殺人をしたら
ちょこっと余談程度に「超能力で不当行為をしたらどうなるか」という考察があります。実際できるかはどうかは別として、もし刑事裁判したいのなら、超能力を「立証」しなくてはならないということらしいです。たとえ殺意を持って呪い殺しても、あるいは念力で絞め殺しても、結局は超能力を科学的に証明しなくてはならず、立証できないなら「偶然の一致」として片付けられるらしいです。(たとえ「わたしが呪い殺しました」と自首しても不可です)これは作中にあるように、藁人形に釘打つやつがイメージしやすいでしょう。
ここで思ったのが、これを逆手に取った作品が『探偵ガリレオ』シリーズなんでしょね。一見、魔法と思われるトリックをガリレオ先生(湯川先生)が科学的に立証する……そう考えてみると、実におもしろいです。
一方で民事裁判ならば、超能力で不当行為を訴えれるかもしれない。という例が提示されていました。
(例:ある宗教団体の内部でリンチ殺人事件が起こった。動かなくなった被害者を見て宗教関係者は宗教内で信じられている「飲むと病気が治る水」を被害者にかける。が、被害者は死亡してしまう ※事件そのものは「2007年 宗教団体 リンチ」などで検索すれば出てきます。)
民事裁判では基本、裁判所は「見ているだけ」という立ち位置のため、民間同士が合意したことなら勝手に話が進むんですよ。
この事件の場合、もしこれを同じ宗教内の人が訴えたとして、訴えられた側が「もっと早く水をかけていれば生き返っていたはずだ」と答えたら訴えた側は「水の効果」を否定できないがために、問題は「人を殺した」という点ではなく「水をいつ振り掛けるべきだったか」「誰がそれに気がついたのか」など水をかけるタイミングの話になる可能性があるというのです。
これは作者さんの考察であるためにここで終わってしまいますが、こういった場合もなきにしもあらずということです。
ちなみに、「呪いの力で殺したんだ」と訴えられても、「呪いなんてねーよ」と主張したら民事裁判すらならないらしいです。裁判所は呪いの「立証」をしないだけで(検察のほうは呪いを「立証」しなくてはならないために「不能犯」と呼ばれるわけです)互いに何も言わなければ暗黙の了解で話が進むらしいです。だから「呪いなんてないよ」と主張すれば、事実関係を考えて終わるわけですね。
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著作権について
いろいろ身近な事件について、サービス残業や痴漢、パワハラなどありましたけど、著作権についてを挙げてみようと思います。
引用について書かれてあった箇所を引用してみます。

ただし引用にもルールがある。「引用の必然性がある」「主従性がある」「区別性がある」「出所の明示」という四つの用件をクリアしていなければ、正当な引用とは認められない。

「必然性」は本文とまったく関係のない引用を載せてはならないということ。
「主従性がある」は引用文(あちら側)と本文(こちら側)が同格に扱われてはダメということ。本文が「主」で引用文が「従」でなくてはならない。
「区別性がある」は上の引用文のように、自分の文章と引用文の違いを明確にすること。
「出所の明示」は引用元を明らかにさせること。ネット上だとリンク先を張ったりすること。

また、引用でもなく他人の著作物を使う場合、文章を少し書き換えたりしても「盗用」になる。まったく同じではなくても、元の文章をベースとしていて、実質的な同一性が認められる場合は、著作権侵害が成立するのだ。

こっわ。ですよ。僕もこわいのでちょっと記事を読み返したりしないと……という気持ちです。
そういえば「著作人格権」というものもありますよね。あれは少し話し変わってきますけど、とりあえずはコピーを軽くできるネットだからこそ気をつけるべきなのかもしれません。

話が少しそれますが、ネットの誹謗中傷についても書かれてありました。

たとえば公開の場所で他人を誹謗中傷すれば、名誉毀損罪や侮辱罪で訴えられることもある。実際、中学生や高校生のあいだではネット上のイジメが深刻化しているが、あれも未成年だから法的責任を問われないだけで、成人が同じことをやれば刑事事件として立件されることになるだろう。

悪口を書いちゃいけないというわけではないですが、中学生高校生ではない成人の方たちは言葉に気をつけようね、という話です。

【まとめ】
法律やら裁判やら難しいイメージがあるものの、少し知っておくだけで生活が楽になる、とまでは行かないですけど、すこしだけリスクを処理できるということが分かりました。「ん?」と思ったら気楽に弁護士に聞くべきであって、聞かなくても自分でいろいろ法律について調べるべきなんですよね。無自覚で法を犯しているなんてこともあるでしょうし。
それに弁護士は年々多くなっているらしいです。増えれば安かろう悪かろうの弁護士も必然と増えていくでしょうし、いい弁護士を探すためにも、身を守るためにもこういう知識は少し知っておくべきでしょう。
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