とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

知るほど面白くなる 日本地理

145冊目
地理に触れ日本を知る

知るほど面白くなる日本地理

知るほど面白くなる日本地理

日本の地理について書かれた本になりますが、この本の「地理」というのは土地や川とかに加えて「人の暮らし」も含まれています。おもしろいことに地理とは人の暮らしと密接に関係していて、地理を知れば見える情報から「日本」という場所について知る本になります。

上の紹介を読めばわかるように、ただつらつらと日本の風土について書かれてあるわけではなく、むしろ「日本」ということについて様々な方面で(とはいっても地理中心で)記されてあるので、今の日本について多方面から見ることができます。
記されている傾向も様々で、「地理ってなに?」という基礎的な話から、日本の自然環境、人の移動について(新幹線ができて)、食(お米の話とか)、モノ(生産輸入輸出)、文化(祭り)など……いろんな傾向の話題があるので幅広く触れることができますね。

個人的におすすめしたいのは、僕みたいに地理について知りたいけどなにもわからない人、あとは小中学生高校生とかじゃないですかね。読んでて、地理のとっかかりとして使えそうな気がしました。

※ネタバレありと書きますが、個人的に気になったところを書いていこうと思います。


ーーー(ネタバレあり)---

続きを読む

人間なんで怖くない 今どきの野生動物

番外編
人間社会に順応してきた野生動物たち

最近の野生動物にスポットを当てた写真集になります。

写真とともに野生動物の解説があるのですが、その解説が「最近の野生動物について」わかりやすく書かれてあります。
むしろこの解説こそがこの本の大事な部分であり、その解説の説得力をあげるように写真が載っているような感じがありました。
文章写真に加え、この写真家さんが長年見てきた野生動物の変化なども読み応えあります。
最近の街の周りにいるような動物(むしろ動物側は隠れているので見えないかもしれませんが)はどんな生活になっているのか、私たち人間の生活が彼らにどう影響させたのか、などざっと知ることができますよ。

※ネタバレありと書きますが、個人的に気なったところを挙げていこうかと思います。

ーーー(ネタバレあり)ーーー

続きを読む

コミックマーケット92 カタログ

番外編
コミケ行くことになりまして

コミックマーケット 92 カタログ

コミックマーケット 92 カタログ

どこかで聞いたことがあるだろう「コミケ」こと「コミックマーケット」のカタログになります。

私情ですが、このコミックマーケット92に行くことになりました。
別に黙ってカタログ読んで、勝手に行けばいいのですが、結構ワクワクしていることや自分の確認もかねて気になった個所をブログにて書いていこうかなと思います。

コミケがたのしみである一方で、初めてのコミケであり、さらに夏ということでかなりの不安を持っています。
とりあえずはこのカタログ読むなりして準備をしたいものです。

今回はカタログを読んでて気になったことをだらだら書いていこうと思います。

続きを読む

虚構の男

144冊目
穏やかな村に潜む異変

虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)

虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)

主人公のアランは郵便局一つ、雑貨店一つ、民家も片手で数えるほどしかない小さな村に住んでいました。
この村に住んでいる人たちをアランはみな言うことができ、彼らと共に穏やかで楽しげな日々を過ごしています。

アランは小説を書き、その報酬で生活していました。身の回りのことは子供のころからなじみである、家政婦のロウにやってもらうので自分は小説を書くことに集中できます。

このごろ「長編を書いてみたい」とアランは考えてました。いつもは短編を書いているぶん気合を入れて手に付けていこうと前々から思っているのに、どうもアイデアが思いつきません。
締め切りに追われてるわけでもなく、穏やかなので切羽詰まってアイデアを出すわけでもなく、「楽でいいな」とすぐ隣に住んでいるリーが茶々を入れてくるような日々、アランはそれに笑いながら応じつつ、その会話の中で創作のヒントを得たりします。
ほかにもアイデアを練るには散歩が一番だと、日課の散歩に出てみれば、町に住む人たちから挨拶がてら冗談を交わし楽しげな一日を過ごすのです。みな小説が完成するの心待ちにしているようでした。

ある日のこと、いつもの散歩に出かけたアランは道中、雑貨店に車で品物を送ってきているフレッドと立ち会って、のろのろ会話しながら同じく雑貨店方面に向かっていました。途中に別の住民であるホルトと会話する際に車と別れました。
ホルトとは適当に立ち話をして、アランは散歩を続けます。
この方面の先は古びた農場があります。そこは今ではもう立ち入り禁止になっていて、アランはその行き止まりで考え事をするのが好きなのです。
今回もここでアイデアを出したりして、元の家にまで戻ってきます。

ここでアレンには妙な違和感がありました。なにせ例の車をあれっきり見てないのです。


※この本はできるだけ内容を知らないまま(このあらすじさえも忘れて)読んだ方がおもしろいと思います。


ーーーー(ネタバレあり)----

続きを読む

なれる!SE5 ステップ・バイ・ステップ?カスタマーエンジニア

143冊目
ブラック感ある仕事系ライトノベル

連日終電帰りが続くような会社に就職してしまった桜坂工兵は疲弊した中で大きな喜びに満ちていました。

否応なしにやらされることになったPM案件、もとより全く知らないところから無茶ぶりでやらされていた会社移転の仕事を2ヵ月を経て完遂したのです。

以前から無茶ぶりなどありましたが、今回ほどの無茶ぶりはかつてなく、かつ(周りに恵まれたとはいえ)初の責任者という立場だったからもあってか、工兵はいっそう仕事を達成した充実感に満ちていました。
「今日はもう帰っていいんですよ」
工兵は上機嫌で同じ会社にいるパートのカモメさんに言います。今日の仕事は確認だけでよく、加えて代休申請してる明日金曜日休みとすれば三連休、加えて今から早退もできちゃうという状況なのだから仕方ありません。
カモメさんは工兵の努力を労いながら、これからある工兵の休みについて雑談を始めました。

上司の室見や藤崎が2人とも不在であり、ふと工兵は自分が帰ってしまうと会社にカモメさん一人になってしまうのに気がつくと、「そんな気にしなくていいよ」とカモメさんは言います。そして「そんなこと気にしないで、ぱっとリフレッシュしておいで」と言うのです。
「お言葉に甘えて」と工兵は室見に報告メールだけ書いておくことにしました。
文面もできて送信ボタンを押そうとした時のこと、ぴょこっと新着メールが届いたことに工兵は気がつきます。
開いてみると、ある顧客から「連絡先の顧客リストを送ってほしい」とのことでした。これはあまり時間がかかるようなものではなく、工兵は少し迷って「いっそ今やっつけようか」と仕事に取り掛かるのです。

あとちょっとで終わる、あとちょっとで終わる、と仕事をしているうちに定時になっており、カモメさんは心配そうに声をかけます。工兵は「心配ないです。すぐ帰りますから」と言いながら残業に突入するのでした。

そしてある程度疲労を感じたとき、あるいは自分の仕事中毒さに薄気味悪くなったとき、スルガシステムは社長をはじめ突発的な仕事が舞い込むことが日常茶飯事なのを改めて思い出します。

急に恐ろしくなって家に帰ろうと、慌ただしく帰宅の準備をしているときのこと、入り口の向こう側に小さいシルエットが見えたのです。
ぞっとする工兵でしたが、もう遅く。それから強引に、ほぼ強制的に室見の話に付き合うことになるのです。

ーーー(ネタバレあり)---

続きを読む

終末の名画 大洪水、黙示録、最後の審判…巨匠たちが幻視した終末のビジョン

142冊目
終末をテーマにした絵の紹介

世界の終わりをモチーフにした絵の紹介などがされている本になります。

終末としてイメージできる「最後の審判」「ヨハネの黙示録」などが話題の中心であり、例にわかるようにキリスト教の話が多いです。そしてキリスト教多いというと西洋美術の話が多いということになります。

印刷がよく、挿絵もカラーで載っていたりします。絵画と説明文による初心者向けガイドみたいな美術本でした。


※ネタバレありとありますが個人的に気になったところをあげていこうと思います。



ーーー(ネタバレあり)---

続きを読む