スチームパンク世界の描き方
番外編
イラスト講座の本になりますね。
- 作者: サイドランチ
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2015/08/28
- メディア: 単行本
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アナログよりもデジタル向けに書かれてあるので、アナログで描いている人は記されてるノウハウを十分には生かし切れないかもしれません。
ただそれでも、スチームパンクの世界観の考え方やら背景やら、参考資料やらの絵はたくさんあって分かりやすかったですよ。
この本の難易度は手取り足取り教えてくれる入門編というより、見て考えてという中級編あたりかなと思いました。「歯車の描き方はこう」という手順が書かれてあるというよりも、「こんな描き方あるよ」と提示が見れる参考書と言っていいでしょう。
この本、読み物としてもおもしろかったです。僕がスチームパンクが好きな人間だからでしょうか、その世界観や小物、アクセサリーや服など鼻息荒く読むことができました。ちょくちょく当時の豆知識もあって、スチームパンクはじめに読む入門書にもなれそうだなとか思いましたね。
(※今回はネタバレありというより個人的に思ったこと、あと独りよがりの感想っぽくなると思います)
----(ネタバレあり)----
スチームパンクを描くことについて
スチームパンクを描くのは大変なものなのだと思っていました。実際に描くのは大変なのは察することができましたけど、その制作過程とスチームパンクそのものの自由度が広いことも知り、描くことが楽しげにも見えました。
基本のヨーロッパスタイルから、海賊スタイル、日本のスタイルなどスチームパンクってわりとなんでもいいんだなと思う一方で、その統一されたかっこよさに惚れ惚れしましたよ。こんな小物を持たせるのもあり、とかもうとても良かった。(いま思い出してるのは「武士に日本刀ではなく、あえてサーベルをもたせるのはどうだろう」というところ)
あと驚いたのは、あのスチームパンク特有のごちゃごちゃしている歯車などを、Photoshopやsaiなどのイラストツールを最大限利用して、難なくぽんぽん絵を創っているというところです。もう、かがくのちからってすげーですよ。
世界観に触れたこと
前に書いたように、僕はスチームパンクがけっこう好きな人間です。しかしだからといって、スチームパンクについてはヴィクトリア朝の時期が主流だとか、そんな知識全く無かったのですよ。だからこの本でいろいろな物が絵として可視化されているものだから、とても勉強になりました。
世界観に触れる一歩というものは、絵は効果的なんでしょう。新たな世界を知るときは、絵を見てみるとか、あるいは簡素な絵を描いてみるとかすんなり理解できるするための大切な一つなのでしょうね。(数学の図形を描いてみろとかいうの思い出しました)
オシャレに命をかけていた人たち
約100年ほど前、イギリス18世紀~19世紀あたりの人たちはオシャレに命をかけていたんだなとこれ読んでてて思いました。
僕が無知だからこそ知らなかったんですけど、コルセット(くびれを見せるための型)や、クリノリン(スカートを大きく見せる型)のなんてオシャレのためだけにあるようなものですよ。このクリノリンだって鯨の髭とか言ってますけど、クジラ乱獲とかしてたのかな……とか考えてしまいました。オシャレするのはいいですけど、彼らの綺羅びやかさは周りの犠牲があってこそのなのでしょう。
そういえば舞台はヴィクトリアの時代ですよね。ヴィクトリア女王は植民地を増やして、大英帝国といえるほどにイギリスを富を手に入れていました。やはりどこかで優雅な生活があれば、どこかで貧困があったわけです。
そんな背景を思いつつ(産業革命やら経て)今があるわけで、その恩恵で(スチームパンクも含む)生活しているわけで、なんというか歴史を知るとき特有の複雑な気持ちになります。
一方で、そのオシャレ(メイド服)が極東で萌え服になっているなんて感慨深くも思えます。
【まとめ】
さすがにイラスト参考書を文字としてまとめるのは無理があります。そもそも僕そんな絵描いてないし、書いてて「なに書いてんだろ……」と思ってしまうほどに内容と遠い感じの文章になってしまいました。
ただ、読んでる本人はとてもおもしろかったです。例えるならゲームの設定資料集を読んでいるようなわくわくが、この本にあったんですよ! だってもうそんなロマン文章にできませんって! (逃げ)
まぁ、そんなロマン置いておいて冷静に感想書けば、スチームパンク描くならデジタルの方がいい(確信)という思いでした。もっといえば、仕上げのハイライトとかコピーアンドペーストがあるからアナログよりも断然らくだろう。ということです。もしプロを目指す方が居れば、今の技術を利用しない手はないでしょう。
それほどまでに、デジタルのチートっぷりを魅せつけられました。
本書の参考文献とか(参考書中心)
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