とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

復活の日 人類滅亡の危機との闘い

84冊目
セカイノオワリ

まずこの本は以前発売した小松左京作『復活の日』を児童が読むと想定として再翻訳された本になります。
なので読みやすいといえば読みやすい(原作の『復活の日』を読んだことがないのでなんともいえない)と思います。

原作:復活の日 (ハルキ文庫)

内容をざっとかきます。

西暦2009年1月7日のこと、細菌学者のグレゴール・カールスキィ博士は「研究所」から出るため厳重な検査を受けていました。
研究所とは細菌研究をする場であり、細菌兵器を作るような場所なので「持ち出し」はたとえ細菌学者であろうが厳重にしなければならないのです。
そんな疑いも、カールスキィ博士は警備の人と雑談をしながら通り抜けます。そして車を飛ばし、雪がふる中、ひたすら西へ、やがて寂れた農家の一軒家に到着します。
白い息を吐きながらカールスキィ博士は農家の扉をたたき、中の男は室内に迎え入れました。
中の男はダイヤモンドバック(通称ガラガラヘビと呼ばれる)スパイであり、お金さえ手にれればなんだってする人間です。カールスキィ博士は彼が大変気に入りませんが、その(なんでもを)信頼し、大金をつぎ込んであるものをマイヤー博士に運んでもらうよう頼みました。
「書類や説明書はないんですか?」
気だっているのにガラガラヘビはそんなことを言います。カールスキィは「国家秘密だぞ! そんなものあるか!」と怒りながら持ちだした、「こいつら」の説明をはじめます。
「これは摂氏マイナス十度前後で増殖を始める、マイナス三度を超えると増床率を百倍に、零度を超えると爆発的に増える。感染後、マウスは五時間で98%死滅した。残り2パーセントはその数秒後に死滅する。人間も遅かれ早かれ同じだろう……」
と、カールスキィ博士は持ちだしたそれ、細菌兵器(偶然生まれた変異種ですが)「ME-88」をどうにかしてマイヤー博士に渡して欲しいとガラガラヘビに「本物と信用させて」渡しました。
しかし、
「確実に……というのはできませんな。我々はマイヤー博士と取引する用意はない」
と、カールスキィ博士を騙していたことを伝えます。カールスキィ博士は絶望し、けれどもなすすべなく眠らされるのでした。

数時間後ある雪山で、飛行機事故が起こります。
それはおんぼろヘリコプターで吹雪ある視界が悪い空を飛んでいると、急に現れた雪山にぶつかって……という安直なもので、だれの気にもとめないことでした。

春になり、事故が起こった雪山の雪は徐々に溶けてゆきます。すると、飛行機事故が起こった付近で哺乳類が軒並み死んでいるという現象が起こっていました。次いで、付近の村で原因不明の高熱風邪が流行ります。
これから暖かくなるというのに、その村は全滅してしまいました。

----(ネタバレあり)----

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コンピュータ技術者になるには

83冊目
まったく知らない職業の本読むのってたのしいですよね

コンピュータ技術者になるには (なるにはBOOKS)

コンピュータ技術者になるには (なるにはBOOKS)

タイトルとおり、コンピュータ技術者になる方法が書かれてある本になります。

読んでて気がついたのですが、本で扱っている職業が「コンピュータ技術者」である以上、「読んだら必ずしもコンピュータ技術者になれる」というわけではないようです。
内容として、コンピュータ技術者とは、コンピュータ技術者たちの考え方、コンピュータ技術者が大切にしていること、などそういったことが触れられている本だと捉えてくれたらいいと思います。
もちろん技術者になるための方法(進むべき道)も提示されているので「やりたいけどまったくわからない」という人なんか読んでみたらいいんじゃないでしょうか。

あとコンピュータ業界は日進月歩です。なので、内容が多少古いということもあり得ます。
それでも将来なんとなく考えている人が、適正やら心構えやら、取るべき資格など、そういった手探り状態の人が読めば良いヒントになる本だと思いました。

(今回も気になったところを上げていこうと思います)

-----(ネタバレあり)-----

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氷山の南

82冊目
南極の氷を船で運ぼう!

氷山の南

氷山の南

フリーマントルに来て三日目、18歳の青年、ジンは港に近い公園の木の影から道路先の建物を見ていました。建物プレートには「氷山利用アラビア協会」とあり、ジンはしばらくそれを見るなりその場を後にします。
ジンは公園から出て、錆びた線路を超えて、小さな港に到着します。小さな港には場違いに大きい船(五千トン、南極海で活動すべく改装されたとか)、シンディバードという船がありました。ジンがこれを見に来たのは四回目です。
やがてジンは暑くてその場にいられなくなり、駆け出し、ビーチで時間をつぶし、街に戻り、さらになにげなく見つけた画廊にふらりと立ち入ります。
画廊にはオーストラリアの先住民(アボリジニ)の絵画がかさってありました。ジンはそれをざっと眺めていると、一枚のヘビ? のような絵に出会います。
「どう思う?」
気がつかない間に後ろに居た色黒な少年にジンは驚きながらも、「いい絵だけど抜群に上手いわけではない」と正直に感想を言いました。少年は「わかった」と認めるので、ジンは「君は画家なの? もう一人前なの?」と聞くと「そうだよ」と答えます。
ジンは彼に嫉妬をします。自分より若いのに、したいことを決めて仕事にしている、と。
ジンは少年に「絵葉書は送れる? お金預けるから郵送で」と聞きます。少年は「送れる」と答えるので、ジンは少年の出されたメモ帳に住所を書きました。
少年は聞きます「これってあの船?」
ジンは「うん」と答えました。

そしてジンは船に密航することを決心します。ただ「南極に行けばなにか見つかるのではないか」、そんな期待を持って。

---(ネタバレあり)-----

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JC科学捜査官 雛菊こまりと“ひとりかくれんぼ”殺人事件

81冊目
うわようじょつよい

ちょっとなにいってんのか、というタイトルですが、タイトル通りの内容です。

ざっと説明すると、14歳にして(飛び級で)博士号候補生の天才雛菊こまりは、大学のつてによりアメリカFBI科学研の特別研修生に選ばれます。
さらにそのころFBIでは優秀な人材を育成を目的とした(将来有望な学生も含む)、新たな研修がスタートし、その一環として日本との人材交流が試験的に行われることになり、特別研究員としてこまりは選ばれるのです。
かくしてこまりは日本の兵庫県科捜研(これもつてである)にて特別研修することになるのでした。

一方で女性講師(吉木理紗子)の変死体が大学の使われてない校舎で見つかります。
現場は妙な様子であり、理沙子は幽霊の存在を証明する心霊実験をしていたり、まるで儀式をしていたかのような異様さがありました。
理沙子はと言うもの「ひとりかくれんぼ中に殺された」というのです。

こまりと兵庫県科捜研はこの怪奇的な事件に挑むことになります。


---(ネタバレあり)----

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知識ゼロからのビッグデータ入門

80冊目
時代はビッグデータですよ!

知識ゼロからのビッグデータ入門 (幻冬舎単行本)

知識ゼロからのビッグデータ入門 (幻冬舎単行本)

タイトルどおり「ビッグデータ」の入門書となります。
絵と写真と図がたくさんあり分かりやすく書かれてあったので、「ビッグデータという単語だけなんとなく知っている」という人でもいい取っ掛かりになる本だと思います。
ただ入門書なので、詳しく知りたいという人には味気ない本になるかもしれません。まぁ、そういう人はこの本を手にとらないだろうし、とるならの後ろにある参考文献の一覧からまた新しい本を探してみたらいいんじゃないでしょうか。

僕は「ビッグデータ」という言葉を意味もなんとなく、本当になんとなく知っていた程度なので、そういう知識が少し補強される意味では読んでよかったです。
理解度で言えば「ビッグデータとはなんぞや」というレベルから「ビッグデータはここでも利用されているのか」という程度までですかね。まぁ、興味があれば各自手に取ってください。



(今回もネタバレありとありますが個人的に気になったところを挙げていこうと思います)


----(ネタバレあり)------

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決壊石奇譚 百年の記憶

79冊目
大地くんによると、石には感情が刻み込まれるらしいです。

決壊石奇譚 百年の記憶

決壊石奇譚 百年の記憶

大地という不思議な青年が居ました。彼は常に妙な雰囲気を出している青年であり、迷信が信じられている地方だからこそ「天狗だ」など影でささやかれていました。
主人公の徹は成績優秀で完璧主義で人望もあるといわれる芦原のミスを見抜き「生徒会に入らないか?」とスカウトされている頃のこと、近寄りがたい大地に多少苦手意識を持っていました。これは芦原も同じのようです。
それからしばらく、徹は生徒総会のために朝早く学校に到着し鶏小屋の過度を曲がろうとしているときのこと、ふと何かつまずきます。みると大地でした。
驚きながらも「大丈夫か」と心配する徹に、「紫水晶だ」など意味わから無いことを大地は言います。意味が分からない徹に大地は「……なんでこんなところに徹が居るんだ?」とまで言うのです。
徹は「なにって」と動揺しつつも大地こそなぜここにと聞こうとしていると、その大地があまりに子供っぽい雰囲気をだしているので徹はおかしくなって、「石がすきなのか?」とどうでもいい疑問を口にします。
大地は「石ではなく鉱物」と訂正して答えました「永遠だから、いい」
このとき大地が持っていた紫水晶を徹は見ます。その美しさに言葉を失い、そして同時に一陣の風が吹き抜けました。
こうして不思議な青年大地にある意味魅了された徹は生徒会の招待を蹴って、大地の居る地学部室に向うことに決めたのです。

----(ネタバレあり)-----

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