とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

堕落論

138冊目
開放されて堕落して

堕落論

堕落論

坂口安吾さんによる『堕落論』という作品になります。

読んでて思ったのですが、これは一種のエッセイでありブログみたいな内容だという印象を受けました。その内容についてあらすじ的なものを書こうと思えば書けるものの、なんというか「これは実際に読んだほうがいい」と思ったのであらすじは端折ろうかなと思います。

この本、あまり文量も多くないですし、すぐ読み切れると思うので興味がある方はさくっと読んでみてはいかがでしょう。(青空文庫Kindleなどで無料で読めます)

----(ネタバレあり)----

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アミターバ―無量光明

137冊目
死へ向かう朗らかな女性と

主人公の私は肝臓の難しい箇所にガンを患います。

もう治ることのないような、そんな難しい箇所にできたガンをなんとなく彼女は知りながら「治してみせる」と気丈に言ってみせたり、訪れた人に冗談を言ったり、とくに人生に絶望したわけでもなく、楽しげに病院の生活を続けていました。
ほぼ毎日のようにやってくる娘の小夜子、たまについてくる娘の旦那である和尚の慈雲、まれにやってくる腹違いの息子の富雄、お世話になっている医師の人たち、など彼女のもとに訪れて会話をします。彼女の性分か、周りの人よりも彼女のほうが明るいということもあるのでした。

ただ彼女はどんどんと衰退していきます。
そんな中で彼女は不思議な経験をするのです。よくわからない幻覚を見たり、過去を思い出すことが多くなったり、夢に実感が湧くようになったりなど、彼女はそれらを新鮮に驚きながら慈雲に問いかけます。慈雲も普段持っている問いかけとともに、たわいない雑談がごとく「死」について話し合うのです。



----(ネタバレあり)----

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なれる!SE3 失敗しない?提案活動

136冊目
ブラック感ある仕事系ライトノベル

終電帰宅は当たり前、そんなブラックシステムエンジニアになった桜坂工兵がスルガシステムに就職してから3か月が過ぎようとしていました。
仕事に慣れてきたとは言えないものの、なんとかギリギリのところをなんとかこなします。

そんなある日のこと、工兵は職場に自分一人しかいないことに気がつきます。
職場に1人という開放感に飲まれながらも、工兵は黙々と仕事をこなしていると、ややあって社長が現れます。工兵は困惑しながらも社長と雑談すれば、社長は熱を帯びながら「仕事とはなんだ」という問いかけを語りだします。
次第に工兵も熱くなってきて、社長も工兵に「可能性を広げてみないか」と持ちかけます。「プロジェクト管理! コンサルタント! プリセールス!」など単語を並べます。工兵は意気揚々と「いいですね!」と頷きます。
すると社長は「そんな君に丁度よい話があるんだが…」と話し始めるのでした。

やがて帰ってきた上司である室見が工兵の異変に気がつきます。
「どうしたの」と室見が聞くと、つい前にあった頼まれ仕事「(仕事を受けるため)提案活動をしてくれないか」を室見にいいます。室見はため息をしました。
本来ならスルガシステムの全営業は社長が行っています。ただ今回の案件は提案前にて社長による不正が行われ、相手の会社から社長は出禁を言い渡されていたのです。

工兵は絶句しながら今後のことを考え始めるのです。


----(ネタバレあり)----

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オリエント急行よ、止まれ

135冊目
誘拐殺人と一億円消失

現在フリーライターの印南はライターとしてこれといった大きな仕事はもらってないですが、編集側から、あるいは読者からはなかなか好評なノンフィクションライターでした。
彼はもともと推理小説家を目指しており、文章力は多少は磨いてきたのです。しかし小説家としては、いいところまで行ったのに夢破れたままきっぱりと書くのをやめてしまいました。

ある日のこと、以前自伝を代理執筆してからお世話になっている、代理士の牧岡から「知り合いの女性の相談に乗ってほしい」と頼まれるのです。
印南はその知り合いの女性である織江に会ってみることにします。織江は以前記事を書いた相手であって、初対面ではありません。織江は印南が書いた記事の感謝をしたものの、話半ばで「ある男を調べてほしい」と言い出します。印南は不審に思いながら「なぜです」と聞き返すも「言わない代わりに資金面で援助する」と頑なです。
印南はこの奇妙な依頼に少し悩んだのですが、調べるだけなのならいいかと仕事を受け入れることにするのでした。


※この作品には『オリエント急行殺人事件』のネタバレがあるので注意してください。

---(ネタバレあり)---

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共喰い

134冊目
いつかの芥川賞作品

この作品はタイトルの『共喰い』の他に『第三紀層の魚』が収録されています。

共喰い
篠垣遠馬は複雑な感情を持ちながら日々を過ごしていました。理由は父の性癖のようなものである、性行為中に女性を殴る癖が息子の自分にもあるのではないか、とずっと考えていたからです。
遠馬には千種という彼女がいました。彼女と何度も性行為などしてきたものの、その父の血とやらを感じたことはなく、いや、感じないようにしてきただけなのでは……と、溝が深まって深く千種に近づくことができないのです。
それでも日々は続き、父と同棲している琴子とともに混濁した生活が続くのです。

第三紀層の魚
信道は幼くして父親を亡くし、母親が仕事に行っているので自然と祖母の家によく行くようになっていました。
この日も友達の勝を誘って趣味の魚釣りをし、その帰りに釣った魚を持って祖母の家に向かうのでした。
祖母の家には曽祖父がいます。曽祖父は認知症はないものの、もうすでに動けない状態になっており、祖母がつきっきりで介護しています。祖母には息子がいましたが失っていて、夫もいません。そんな祖母が血のつながってない曽祖父の介護をしているのですが、子どもの信道は疑問もなにもよくわかってないのでした。


----(ネタバレあり)----

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なれる!SE2 基礎から学ぶ? 運用構築

133冊目
ブラック感ある仕事系ライトノベル

スルガシステムに入社した桜坂工兵は様々なトラブルに見舞われながらも、なんとか1ヶ月を過ぎようかとしていました。

そんな4月の終わり頃、室見は「飲み会の幹事を任せたいんだけど」と言ってきます。工兵はそんなこともするのかと思いながらも、次いで発せられた室見の「あんたの歓迎会」という言葉に驚きます。
驚いて流石に自分の歓迎会は……と反論しますが、上司でもあり教育係の室見が「これも社会経験よ」と言い、やがては言い包められ工兵はしぶしぶ引き受けることにしました。

初めて仕事での飲み会、初めての幹事、など不安要素がある工兵でしたが、同僚の力を借りるなどしてなんとか幹事をやり遂げます。しかしそれでも、当日になって「歓迎会の人数が増える(しかも増えたのが社長)」など予想外のトラブルがあったりしたものの、なんとかかんとか歓迎会の形はこなすことができたようです。

とりあえず一安心……と言いたいところでしたが、飲み会も和気あいあいと温まった頃、店にて経験の浅い新人バイトが食器を運ぼうとするも、その不安定な食器がついに欠落をし、あろうことか歓迎会最中ノートパソコン開いて仕事をしていた室見のもとに襲いかかります。
すかさず工兵はそれを防ごうと身を挺します。間一髪、なんとか食器の脅威から室見を守ることができましたが、工兵のスーツは汚れます。

スーツはいったん水洗いするために工兵はトイレに向かいます。やれやれとトイレで歓迎会を思い浮かべながらスーツを洗い終わると、出口付近に女性がうずくまっているのに工兵は気がつきます。よく見ると女性は泥酔しているようでした。
工兵は面倒を押さえて、その女性に声をかけます。妙な絡まれ方をしたものの、なんとか助けて歓迎会に戻って行くのでした。

ある日のこと、会社に到着した工兵は受付の前でおろおろしている女性を見つけます。
さてはカードキーを忘れたのだな、と工兵は思いながら女性に声をかけてみると、いつか泥酔していたあの女性だったのです。



---(ネタバレあり)---

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