とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

2016年の振り返りと、おもしろかった本。

2016年も終わりに近づいていますね。
今回は今年書いた記事を(読んだ本)を振り返ってみようと思います(つまりこれが今年のラスト記事です)。

流石に全部一つ一つ振り返っている場合じゃないので、個人的におもしろかった本を4冊と+数冊ほど紹介しようと思います。


個人的におもしろかった4冊

個人的にランキングがあまり好きではないので、ベスト4とします。
※各自貼ってある自分の記事リンクですが、それの先には(その記事にも書いてあると思いますが)ネタバレがあるのでくれぐれも気をつけてください。

人類は衰退しました(シリーズ)

・簡単なあらすじ
人類が衰退した世界、人類という席は「妖精さん」という新たな種族に渡していました。
主人公であるわたしは調停官を努めており(「旧人類」として)、「現人類」の妖精さんと接触を図ります。妖精さんとは元気がいいのですが、たまに(よく)やらかすことがあるので多少気にかけなくてはならないのです。
ただそれでも衰退した世界ではなにもかも緩やかに時が過ぎ、調停官とは形だけの職業となってもいるのでした。

・感想
正直、このシリーズだけで複数冊入るんじゃないかってぐらいおもしろかったです。
思えば今年の初め頃にやっと(当時の)最終巻を読み切って、その衝撃のまま「『人類は衰退しました』はいいぞ」とかれこれ一年間言い続けていたみたいですね。
つい最近、新刊がでました。あれ実はまだ読んでなく、正月の楽しみにしています(はよ読め)。ただ感想はこのブログでは書かないかなぁと思います。
これも実はですが、個人的に買った本(初めから欲しかった本)などは感想書いてないんですよね。理由は好きな作品を心のなかに残しておきたいという僕のわがままです。

これも最近の話ですが、「abemaTV」で『人類は衰退しました』の再放送してましたよね。見ました。おもしろかったですね! あれの影響か、『人類は衰退しました』の検索流入が入ったように思えます。

新刊はこちら(Amazon
人類は衰退しました: 未確認生物スペシャル (ガガガ文庫)

人類は衰退しました』関連記事たちはこちら
人類は衰退しました カテゴリーの記事一覧 - とある書物の備忘録



◯氷山の南

・簡単なあらすじ
慢性的な水不足を見かねて、あるプロジェクトが始動します。それは南極の氷を船で運び水を確保しよう! というもので、前代未聞のプロジェクトになるわけですが、それを大真面目に考え企画して資金を調達して実行に移して出発しようかというそのとき、その船こそが物語の舞台です。
主人公のジンは漠然と生きている若者です。そんなジンは船が南極に向かうことを知った上で「あの船に乗り込めば(密航)なにか変わるかもしれない」と船に乗り込むわけです。

・感想
清涼感のある冒険小説みたいで、それはそれは好みでした。
知的でアカデミックな感じもいい感じでしたね。上に書いたプロジェクトに参加する人たち、それは「氷山を運ぶ人」はもちろんいるんですけど、「ただ南極で調査したい」という大学院生やら教授やらもたくさん船に同乗してるんですよ。その傾向(学問)はさまざまで、もっといえば国籍も宗教も様々なんです。そこに「氷山を運ぶ」という共通した目標があって、でも緩やかに自分のことをしているのがよかったです。

全体的に爽やかさ知的で清涼感ある雰囲気が肌に合いました。

『氷山の南』の記事はこちら
氷山の南 - とある書物の備忘録



アトランティスは沈まなかった 伝説を読み解く考古地理学

・簡単な紹介
いわゆるアトランティスに対しての考察本です。

・感想
おもしろかったのは、架空の存在(アトランティス)に対してあまりにも切れ味鋭い考察をしていたところにあります。内容をどう説明したらいいのかわかりませんが、早々にアトランティスアイルランドだと結論つけてから、いろいろ話を進めてゆくんですよね。
そこになぜ水に沈んだとされるのか、そもそもアトランティスとはどんな感じの国だったのか、など、そういった話が知的好奇心がくすぐられるように書かれてあって、あぁこれはすごい本だと思いました。
終わりあたりに過去を調べるにおいて持っているだろう僕らの「偏見」など指摘されていて、それも切れ味のあるコラムみたいで、読んでておもしろかったです(そこらへんは感想記事には書いてませんけど)。

胡散臭い内容かと思ったらちゃんとしていて、かつタイトルの「アトランティスは沈まなかった!」という主張もうなずけた上に色々考察が書かれていてよかったです。

アトランティスは沈まなかった 伝説を読み解く考古地理学』の記事はこちら
アトランティスは沈まなかった 伝説を読み解く考古地理学 - とある書物の備忘録


◯「健康な土」「病んだ土」

・簡単な紹介
日本の土がやばいことになっているぞ、と伝えられてる本です。

・感想
「おもしろい本」とは少しかけ離れれてしまうのですが、読んだらわかるように……その、日本の土が今やばいことになってるということがわかる本になります。読む限りそれはもう笑えないスピードで土がだめになっているようで、僕らがのんきに「健康志向でベチタリアン」なんてツイートしてる場合じゃないです。
個人的に植物もまぁまぁすきなのでこうした事実を読んで知ると、ただ悲しくなりました。力の抜け工合は半端なく、それでいてどうすればいいのかわからなく無力感があります。そういう意味でも衝撃的なので選びました。

しかしこんな恵まれた土地で恵まれた気候の国が食料自給率100以下っておかしいですよ。まぁさすがに100%は言いすぎかもしれませんが、それぐらいあってもいいと思えるほど日本は豊かな土地だと思いますよ。なのになんで輸入に頼っているんですかね。
この豊かな土地で大量生産大量廃棄してるのもおかしな話ですよね。生ゴミだって肥料にしたらいいのに、化学肥料使うようになっていて(その化学肥料を使わざるを得ない状況になっていたりもして)、民間はそもそも国産を買わなかったり……など、いろいろ問題が頭をめぐります。早いところどうにかしてほしいです。

まぁそんな感じで、いろいろ不満や憤りが出てくる本です。ぜひ読んで「日本の土がやばい」ってことを知ってほしいです。

「健康な土」「病んだ土」の記事はこちら
「健康な土」「病んだ土」 - とある書物の備忘録

その他おすすめしたい3冊

ベストでは紹介しなかったものの、個人的におすすめしたい本を挙げていきます。

◯火の闇 飴売り三左事件帖

・簡単なあらすじ
時代物です。内容としては『銀魂』みたいなよろず屋の(本人は飴屋と言ってますけど)物語となります。

・感想
これをおすすめする一番の理由は「文章力がすごい」からです。この作者さん(北重人さん)の本を初めて読んだんですが、「文章が美しい…」という印象を強く残し、(物語としても特別悪いわけではなかったですが)その思い一番に変わらないまま本を読破したというなんともすごい本になります。
いわゆる文豪の文体が美しいということは聞いたことあるし、実際に何度か触れたことがあります。たしかに美しいのですが、この作品は読んでると情景が浮かんで、でも簡素で、なのに妙な色気があって、とにかく「美しい…」と強く思いました。これはここ数年では一番かもしれません。それぐらい文章力がすごくて、すごかったです(語彙力ゼロ)。

ただ作者さん(北重人さん)はすでに亡くなっていて、この作品が遺作だというのだからなんとも悲しい気持ちになりました。

『火の闇 飴売り三左事件帖』の記事はこちら
火の闇 飴売り三左事件帖 - とある書物の備忘録



◯イカはしゃべるし、空も飛ぶ 面白いイカ学入門

・簡単な紹介
イカの本です。イカのことしか書かれていない本です。

・感想
イカのことしか書かれてないって嘘だろ! とか思ったんですけど、もう全部が全部イカの話でした。
なんというか、それがとても真新しく見えてここに紹介しました。変わり種の本を読みたいなってときにおすすめします。
どうでもいいんですが読んでると無駄にお腹が空きます。イカの調理方法など、そんな話題がちょくちょく出てきて、「あーお酒のみてー」みたいな気持ちになりますね。

初めから最後までイカの話をしているだけ、っていう稀有な本です。


零戦神話の虚像と真実 零戦は本当に無敵だったのか

・簡単な紹介
零戦についての考察などが(戦闘機マニアと戦闘機パイロットによって)対談方式で記されている本になります。

・感想
タイトル通り零戦神話の真実について触れていくのですが、それらを読むなり「そんなんアメリカに勝てるわけねーよ……」ってな感じの気分にさせてくれます。
もちろん質量や技術などで劣っていたというとても大きな要因はあります。しかしそれの他に内部から、内部も日本っぽさ(悪い意味のやつ)にやられていたのではないか? みたいなことも書かれてあって「当時の日本も…あっ…(察し)」みたいな気持ちにもなります。
零戦というと、防御を捨て機動性をとった(こういったらあれですけど)かっこいい戦闘機というイメージがあったりしますが、そんなカッコよさを賞賛しないで、現実的に「まてその理論はおかしい」みたいなマジレスを対談でしてくれるので「せやな!」という気分にもさせてくれます。
こんなこと書いてますけど、零戦に興味を持つ人ならかなり興味深い本になると思います。

少し前、『この世界の片隅に』という映画を見ました。内容の感想は置いておくとして、この本を踏まえると、あの焼夷弾のシーンの印象がなんともいえない気持ちになります。

ちょうど7冊なので、本紹介はここでやめておきます。

今年のまとめ
まさか一年間も記事を書き続けているとは思いませんでした。ちょくちょく「もうだめだ…」からのひーひー言いながら更新してきましたけど、こうざっと過去記事見てみると今更がながら「よく書いてきたな…」と思いましたよ。褒めてほしい。誰か褒めてほしい。コメント閉じてるけど!!

あ、コメント閉じてる理由ですが、あれは「うっかりネタバレしちゃいそうだったから」です。コメントでここが面白かったですよって言ったとしても、それはある人からネタバレかもしれない……と考慮して閉じています。あと僕が返信苦手なのも大きいです……。

さて、この記事を書いている時間も恐ろしいことに朝の4時だったりします。石の本の記事を書いた後に書いてこんな時間になっちゃって。
加えるとこれ書いているのクリスマスだったりします! 昨日の夜10時ぐらいから書き始めたのだから、いわゆる性の6時間に書いているんですよこれ。なんでこんなことしてるんでしょうかね僕は。
そんな感じでなんか睡眠時間を削ってまでブログを書くって本末転倒だと思います。性の6時間だって「っべー寝ちゃったよ有効活用しちゃったよ」的なことをツイートする予定だったのに記事書いてたらもう朝ですよ。なんでこんなことになっているんですかね。

……と、まとめで「自分大変大変」みたいな話になってますけど、このブログを書いているおかげで今年、上に乗せているような本を読めました。おそらくブログ書いていなかったら自分好みの本だけ読んでいたでしょうから、気になってもこれらの本を開くことはなかったと思います。
そう考えるとありがたい話です。が……でも大変でした。

ってなわけで、今年の記事更新は終わります。

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