とある書物の備忘録

読書家ほどではない青年が本の感想を書くブログ

怖い俳句

161冊目
怖いにもいろいろあるね

怖い俳句 (幻冬舎新書)

怖い俳句 (幻冬舎新書)

「怖い」をテーマにした俳句がつらつら収録されている本になります。
読んでて思ったのですが、「怖い」というのにも様々な「怖い」というものがあり、それは場合によっては可笑しいような内容だったりするなど、ただひたすらに恐怖するようなことが「怖い」ではないということです。
そしておもしろいのは、怖さにもジャンルがあるということでした。

本の内容はまず俳句があり、その後ろに作者による解説文章が続いています。はじめにに書かれてあるように、イメージするなら美術館の案内文のように書かれてあります。


※ネタバレありと書きますが個人的に気になったところを上げようと思います

ーーー(ネタバレあり)---

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感じる経済学

160冊目
経済を「感じる」本

経済を「感じる」というテーマで書かれた本になります。
内容は基本的にわかりやすく書かれており、経済を感じてもらうと身近な例など出したりしていて、タイトル通り「感じる」ということ「身近な存在としての経済」というものを理解できるようになっていました。
経済と聞くとどうにも金融や投資など堅苦しいイメージ、あるいは株FXのようなよくわからないけど身近ながらちょっと遠い存在に感じますが、この本ではそういった人向けに書かれている感じがあって、経済初心者とかが読んだらいいんじゃないかなと思いました。特に経済に関心がある若者が読んだらいいんじゃないかなと。

どうでもいいですが、表紙のイラストがかわいいです*1

※ネタバレありとありますが気になったところを挙げていこうと思います。

ーーー(ネタバレあり)ーーー

*1:イラストは456さんです、Twitter:@456log

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窓ぎわのゴースト

159冊目
未練がある幽霊とごたごたする話

窓ぎわのゴースト

窓ぎわのゴースト


来年高校二年生になる黒木薫子は少し変わった兄貴を持っていました。
なにも兄である彼(黒木伸一)は突然「ゴースト・ハンター」という仕事を始めると言い出して、実際にゴーストを消滅させる機械を作り始めたのです。薫子は半ば巻き込まれる形で彼の手伝いをすることになりました。
伸一は薫子が「マチ先輩」と呼んでいる、町田美奈子という彼女がいました。彼女は実際に霊感を持っていて、日常的に幽霊を見るような女性です。そんな彼女の協力ももらっていました。
仕事もかなり本格的ですでに部屋を借り切り、部屋は機材でいっぱいになっていました。探偵のように電話が鳴るのを待ち、けれども部屋を貸し切るのにもお金がかかり、伸一はそれをバイトで費用を賄っています。けれど伸一はゆくゆくは仕事として回っていく程度にはなっていくだろうと考えていたりもしていました。

ある日のこと、そんな彼らのもとに妙な電話がかかってきます。どうにもアパートにてホームレスの遺体が見つかったというのです。
聞くところによると、そのアパートはぼろぼろで近く取り壊しになると話になっていた場所だそうです。一方でそのアパートには妙な現象が起こっている様子を付近の住民が聞いているという出来事も起こっていました。
多くはホームレスが原因だと付近の人達は思っていたものの、あの場所はもう誰もいないはずなのに、という事実もあり「あれはホームレスの幽霊ではないのか」と不穏な噂がちらほら見られ始めていたのです。

そこで伸一に電話がかかってきたわけです。伸一は意気揚々に仕事に取り掛かることにしました。

ーーー(ネタバレあり)ーーー

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石の庭園

158冊目
悲劇から始まる青春小説

石の庭園

石の庭園

アメリカのニュージャージー州に住んでいる私立高校生のアリスは、幼稚園に入ったころから知っているマシューという男子と親しい関係、幼馴染、友達、親友、家族、あるいは彼氏彼女、など簡単には言い表せない異性がいました。

アリスとマシュー、互いに相手のことは気になっていて、けれども互いに近すぎて、二人は背中を預けるように、それでもいつでも知り合っている大切な仲間のように二人は通じ合いながら学生生活を過ごしています。高校生という境遇もあり、二人はそれぞれ好きなものや夢中になるものは年々違って互いに彼氏彼女の関係になったことはなかったものの、二人は将来結婚して幸せな家庭を作ると思っていました。マシューは幸せな家庭を作るのを夢見て、アリスはマシューのお嫁さんなることが夢だったのです。そしてそれは二人にとって確信に近いものを持っていました。

マシューは人を惹きつける天性の才能を持っていました。
彼が行く先々で、彼に悩みを打ち明ける人がたくさんいるように、彼は高いカウンセリングスキルを持っていて、マシューもマシューで人の悩みを聞いてあげることを純粋な善意で行っていました。
彼は人の救いを何人も行って、そしてその途中になって、彼は一人のジャンキーな女性を救うためメキシコに旅立ったまま行方不明になるのです。

近く卒業を迎えるというのに、アリスは一人残され失望の日々を送っていました。


ーーーー(ネタバレあり)-----

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なれるSE!10 闘う?社員旅行

157冊目
ブラック感ある仕事系ライトノベル10

桜坂工兵と愉快な仲間たちによるブラック企業奮闘記になります。
この巻はメインストーリーではなくサイドストーリーの短編集になっており、『闘う? 社員旅行』『もう迷わない? システムサイシング』『インタビュー? ウィズ・ニューリクルート』『誉=コンティンジェンシー』の4編が収録されています。

ひとつひとつあらすじを書いていきますね。

闘う? 社員旅行:毎日多忙を極めているスルガシステムも、毎年ごとに社員旅行が行われていました。今回もまた社長が直々に力を入れた一泊二日の旅行が計画され、社員みんなはしがらみなしで羽を伸ばしに熱海へ向かうのです。初めて社員旅行に参加する工兵は不安ながらに、仕事をいったん置いて、けれども「悪くないんじゃないか」など思いながら同じ会社の同志と共にバスに揺られるのでした。

もう迷わない? システムサイシング:ASAP*1という悪魔の言葉があり、これを言われたときには現在持っているタスクをいったん置いておいて、できるだけ早くその要件をこなさなければならなくなります。ただでさえ忙しい人達にとって、それ以上に予想外の出来事が割り込まれたらたまったものじゃありません。ただ今回、社長がASAPという単語を発し、新しい仕事を持ってくるのです。

インタビュー? ウィズ・ニューリクルート:新人社員に対してインタビューを行い、就職生に仕事の現実などを伝えようという企画がある企業で上がっていました。その企画の一人目に抜擢されたのが次郎丸縁です。彼女の日常に迫り、仕事の大変さやりがい心意気など聞くインタビューが始まるのです。

誉=コンティンジェンシー:失踪癖のある桜坂工兵の妹こそ誉がまたいなくなったと仕事中に母親から伝えられます。工兵は「いつものことじゃないか」と投げやりに答えたりしたのですが、今回誉が気になっていたのが海外ということもあり工兵も心配になってきました。母親から「見つけたら連絡をして」と言われるなど、気に留めつつ工兵は仕事に戻ると、ほどなく宅急便が来たと伝えられます。工兵は「はて?」と思いながら受付に向かうのでした。


ーーー(ネタバレあり)ーーー

*1:As Soon As Possible

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